2024.01.23

ITトレンド

今更ですが…「Flash」まだ使ってませんか?

  • セキュリティ
  • WEBサイト

今更ですが、色々WEBサイトを拝見していると、稀に見つけるのが「Flashコンテンツ」。

今回は「Flashコンテンツ」をテーマに、改めて注意喚起をさせていただきます。

目次

Flashとは

Flash誕生から大ブームへ

まず今回のコラム。大前提として読んでいただいている、ほとんどの会社様は問題のないことです。

ですので、その方々は「WEBの歴史学」の一環として楽しんで頂ければと思います。ではまず、テーマの「Flash」について軽くご説明します。
1996年にアメリカのFutureWave Softwareが開発。それを同じくアメリカのMacromediaが会社ごと買収。2004年頃のMacromedia Flash MX 2004がリリースされた頃は、マルチメディアなんて言葉もWEB業界内で流行り、このFlashは一大ブームに。

「これからのWEBクリエイターはFlashが出来なければ淘汰される!」なんて言われたほど、熱狂的なブームにすらなっていきました。

Adobeが吸収、そして迎えた終焉

そんな前途洋々のFlashは、2005年にまたもアメリカのAdobeに吸収されます。話が横道にそれますが、その頃「WEBクリエイターはMacromedia、DTP(紙)クリエイターはAdobe」なんて風潮があったのですが、MacromediaごとAdobeが買収しました。

話を戻します。

Flashはその後も発展をしていきますが、潮目が変わったのがiPhoneが登場した2007年頃(日本は翌年2008年)。初期の頃は一時、iPhoneでも使えたFlashコンテンツは個人的に確認していましたが(当時流行った、mixi内のゲームコンテンツ:サンシャイン牧場等)、すぐに使えなくなりました。
理由は、Flashコンテンツを閲覧するためには、Flash Playerが必要なのですが、それをAppleがサポートしなかったため。

まだまだ当時は、iphoneよりも「ガラケー」が主流だった時代ですし、このことはいきなりFlashに打撃を与えるものではなかったですが、徐々に他にもセキュリティ面での課題なども指摘されていき、遂に2017年。Adobeは2020年を持ってサポートを終了すると発表

一時代を築いたFlashも現在は完全に閲覧することが出来ません。

現在のFlashコンテンツ

では次に、一世風靡したFlashコンテンツの現在です。このコラムを読んで頂いている方の中には、ひょっとすると弊社のようなWEB制作会社の営業マンから「Flash使っているから辞めてリニューアルしませんか?」なんて営業を受けた経験がある方がいるかもしれません。

2017年当時は、そもそもサポートが終わることが発表された時期なのでセキュリティ対策の一環としてだったのですが、現在はもはや誰も閲覧することができません。

そしてどのように、WEBサイトでは表示されているかと言えば、このように表示されます。

諸行無常のFlashコンテンツ

ご覧頂いた通り、もうそこに何が描かれていたのか、誰も見ることができません。
これは実際に今も公開されている、ある会社のコーポレートサイトから引用させていただきました(名前は伏せておきます)。

諸行無常を地で行く「Flashコンテンツ」。

このコーポレートサイトにある、このコンテンツにはどんな重要なメッセージがあったのかは分かりません。シンプルにそれを見ることはできません。
そして、もう二度と誰も見ることはできないのです。

もしまだ使っていれば、リニューアルしましょう

当コラムでは、当社の営業につながるようなストーリーは極力避けているつもりなのですが、これについては理屈は不要です。

シンプルに誰も使えないという視点では、アクセシビリティではないですし、それは場合によっては2024年4月に施行される「改正障害者差別解消法」こちらのコラムもご参照ください)に抵触するかもしれませんし、そもそもビジネスや採用などに於いて機会損失を起こしている状況なので、これはリニューアルしましょう。

ちなみに先に取り上げた、Flashコンテンツを使っている会社のWEBサイトですが、Internet Archiveで調べてみたところ2010年前後が最終リニューアルのようでした。もう14年。

人間も当時産まれた子は、今は中学生。当時中学生だった子たちは、今じゃすっかり立派な社会人になっているほどに年月が流れています。
もうここまで使えば、当時制作を担当されたデザイナーもデザイナー冥利に尽きると思いますよ。

一応、調べてみると今では、何も確認できない前述のWEBサイトに組み込まれた「Flashコンテンツ」は単なるイメージ動画ではなく、その会社のサービス内容などが閲覧できるようになっていました。

古いテクノロジーは早めに刷新を

もっと大きなシステムで、「2025年の崖」なんて言葉も言われますが、WEBサイトも同様です。

古くなりすぎると、そもそも扱えるクリエイターも居なくなります。仮にFlashが未だに閲覧できたとしても、クリエイターはもはや「商売にならない」技術の勉強は不要ですし、現役の若いクリエイターの皆様は恐らくFlashで使っていたAction Scriptや独特のフレームレート等、扱う扱わない以前に、聞いたこともないと思います(フレームは動画クリエイターの方は馴染みがありますが)。

そして当時それを作っていた、私自身ももう扱えません。なぜなら、クリエイターは引退して何年も経過しているので忘れています。
だから、古くなりすぎると、直して欲しくても誰も直せない状態になってしまいます。

大体4~5年がWEBサイトリニューアルの周期なんて言われますが、少なくとも10年戦士のWEBサイトはそろそろリニューアルした方が、色々な視点で良いと思いますよ。

著者・編集者情報

藤江信之 (マーケティング室)

京都出身。

大学卒業後、税理士向け商社で営業マンを経験したのち、2000年代前半より広告代理店や、WEB制作会社等で主にクリエイターとして従事。
大手エネルギー会社や、大手小売店、某市地下鉄などのWEBサイトやプロジェクトに関わる傍ら、2010年頃まで、都内のWEBデザインスクールで非常勤の講師を務める。

その後クライアントワークから、自社の広報マーケティングにキャリアチェンジ。
上場IT企業のマーケティング部門立ち上げに中心メンバーとして関わり、ウェビナーや展示会の運営などを通じリード創出を行う。

人材サービス会社を経て、2023年6月ネクストソリューションズに入社。
“提案サイド”と“担当者サイド”両方を経験した知見を活かし、マーケティング室の立ち上げ中。

趣味は市民ランナー&高校野球観戦&古城跡散策のマニア。

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