2024.02.21

マーケティング

リアル展示会に担当者として関わった経験談

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以前執筆させていただいた『リアル展示会の運営「基本のき」』がとても多くの方に読んで頂いているので、今回もリアル展示会に関する話です。

私自身、Japan IT Weekに前職で数回、担当者として関わってきましたので、その経験談をお伝えし、ぜひ1つでもヒントになりそうなことがあれば、ご参考に頂けければ幸いです!

目次

展示会を失敗させないために

リアル展示会に出展を決められた会社様。実際かなりの費用をかけておられるのではないかと思います。

私自身、当時出展していた費用は伏せますが、年間の広告宣伝費の半分を占めていました。
展示会主催会社に支払うコマ代に加え、ブース施行展示会当日に来場者に配布するパンフレットやノベルティ、利用される場合はコンパニオン派遣代荷物を現地に搬入するための車両費様々な費用が発生。

また人的リソースも少なくありません。当日だけでなく運営チームは数か月前から準備に入っていきますので、まさにこのコラムを読んでおられるご担当者様は、今この瞬間、かなりその準備に追われているのではないでしょうか?

それだけ費用も、人も使うので失敗だけは避けたいですよね。と、いうことで私自身の失敗談などもお話したいと思います。

展示会神話は作らないこと

展示会って「好きな人は徹底的に好き」なことは事実だと思います。

盲目的に展示会が好きな方は、展示会を神格化させがちだと感じています。分かります。3日間、現地に立ち、独特の熱狂の中で駆け回り、その中で1件でも受注が発生すれば「展示会の効果は凄い!」となってしまいがちです。というか、私自身、過去そういった営業側の声に悩んだ事実があります。

しかし冷静にROI(投資利益率)を過去に渡って調査しても、イメージとしては100万円(営業人件費は含まず)を投資して、同額か少し上の粗利。ROIでは100%~200%の間ぐらいがほとんど。

しかも細かく見ると、営業的には「受注した」という実績が残っていますが、しっかり追ってみると納品には至らなかったケースもちらほらあり、「本当に効果あるの?」状態でした。
しかし、一部の営業からは、高額受注が得られるチャンスなので、盲目的に開催したい…といった空気感が出来上がっていました。

この状態だと、展示会の効果を冷静に分析できなくなるので、まず「展示会神話」を作らず、冷静に判断できる雰囲気があるかないかは重要です。

展示会に何を求めるのか

ざっくりと「商談数や受注」などの営業的効果「認知向上」のための広報PR的効果の2つがあると思います。

私が関わった会社も、この2軸がありました。しかし実態は前者のみの状況。後者のPR的効果については、実際展示会にでたところで、例えばWEBサイトの訪問数が伸びるわけでもなく、単に「ブース前を素通りする方からも、半ば強引に名刺を頂いた数」だけで判断する状況でした。

結構、これはあるあるだと思います。実際展示会って、基本はクローズドの環境です。関東であれば、東京ビッグサイトや幕張メッセなどの施設で、一定の手続きを行った方のみが見て回れます。
リアル店舗といっても、街中にある商業施設に出店するのとは性格が異なります。

また展示会主催会社も、あくまで3日間の「展示会そのものの来場者数」を掲げているだけで、自社のブースにどれだけ集まって頂けるかは不明です。
私も出展したJapan IT Weekだと、大体3日間通して3万~5万の間が多いと思いますので、そこから逆算すると、自社ブースに目をとめていただけるのって実際は、1割いくか否か…それがリアルな数値だと思います。

なので、正直「認知向上」はあまり期待しない方が良いと思います。4万人の来場者が皆様の会社を見に来ているわけではありませんし、また著名人のリアルセミナーだけ聴講にきて、ブースは見ないで帰る方も全体数に含まれています。

素直に、「費用対効果」と、「営業リストとしての名刺数」に拘った方が良いと思います。

獲得した名刺は全て活用する

これは営業が強い会社にありがちだと思います。私も、マーケティングチームを作るまでは、営業主体で展示会は行われていたので、獲得した名刺の処理方法はわかりませんでした。

実は、営業的に「見込みでない」と会場で判断したものは全てシュレッダー行き。
これは本当に勿体ないです。

マーケティングチームを作ってからは、会場で全ての名刺をスキャンして後日、その会社で使っていたMA(マーケティングオートメーション)ツールに登録し、以後メルマガ等でコミュニケーションを図るように仕組みを変更しましたが、出来れば見込み客と判断した名刺だけでなく、全名刺に対して、少なくとも展示会熱が終わりきってない1週間以内には営業マンが電話することが望ましいと思っています。

やはり会場は独特のノリですし、私自身イチ来場者も経験していますが、シンプルに話のお上手な営業担当の方だと、盛り上がるんですよね。
その雰囲気だけで「高見込み」とするのは危険です。逆に、あまり営業の方と話したくないので、静かに情報収集はしているけど、真剣に導入を検討している来場者の方もいます。

こういった場合、当日の雰囲気だけで判断してしまうと、「見込みが薄い」と判断されてしまいます。

展示会は運用を主に行うチームのご担当者様であれば分かると思いますが、かなりの費用がかかっています。そこで得た「リード」は有効活用しないと勿体ないです。マーケティングチームや、もしなければ営業支援チームなどかもしれませんが、いずれにしてもメルマガは配信した方が良いですし、獲得した名刺には一度全件に対して営業マンの電話フォローがあった方が良いと思います。

名刺枚数に拘らないことも大事

展示会あるあるで、とにかく何でも良いから名刺をかき集める会社様が多いと思います。
しかし本当に「通りすがっただけ」の方から獲得した名刺は「リード」と呼べるかと言えば、正直微妙ですよね。

私も過去はコロナ禍でも、2,000枚前後の名刺リストを獲得していましたが、「2,000件リードを獲得しました!」と宣言するのは、少し性格上も憚れた記憶があります。

なんでもかんでも名刺集めに走るのではなく(誤解しないで頂きたいのは、展示会場で名刺獲得行為自体は大切です)、まずは折角自社ブースに立ち寄って頂いた方に一期一会の精神でおもてなしをしましょう。

少なくとも雑な営業対応は厳禁です。来場者も東京ビッグサイトや、幕張メッセだと東京勤務でも往復で、数時間の時間を要し、かつ交通費も支払っています。

「一人でも多く接触を図れば、大口契約が取れるかもしれない!」という気持ちは理解しますが、接客業の基本「お客様を大事」におもてなししましょう。

展示会に特化したコンサル会社とコラボレーションセミナー開催

オンラインセミナーが隆盛の現在ですが、そのセミナーのテーマで「リアル展示会」の情報って少ないですよね?
ということで、皆様にとって中々聞けない有意義な情報になるのではと思い、オウンドメディア「展示会の学校」等も運営されているモード・マーケティング株式会社とセミナーをコラボレーションすることになりました。

展示会ワンテーマに絞って情報をお届けしますので、ご興味ある方はぜひご参加くださいませ!
当日のご都合がつかない方も、お申込み頂いた方全員に、後日セミナーの録画データをお送りします。

著者・編集者情報

藤江信之 (マーケティング室)

京都出身。

大学卒業後、税理士向け商社で営業マンを経験したのち、2000年代前半より広告代理店や、WEB制作会社等で主にクリエイターとして従事。
大手エネルギー会社や、大手小売店、某市地下鉄などのWEBサイトやプロジェクトに関わる傍ら、2010年頃まで、都内のWEBデザインスクールで非常勤の講師を務める。

その後クライアントワークから、自社の広報マーケティングにキャリアチェンジ。
上場IT企業のマーケティング部門立ち上げに中心メンバーとして関わり、ウェビナーや展示会の運営などを通じリード創出を行う。

人材サービス会社を経て、2023年6月ネクストソリューションズに入社。
“提案サイド”と“担当者サイド”両方を経験した知見を活かし、マーケティング室の立ち上げ中。

趣味は市民ランナー&高校野球観戦&古城跡散策のマニア。

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