2023.07.13

人事・採用

会社の口コミサイトでのネガティブ評価対策

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当然のことを言いますが、このコラムを読んで頂いている多くの方は、現在か過去かは問わず1度以上は「求職者」を経験されているはずです。

その時は企業選びで、参考の1つにされることもあったであろう「口コミサイト」。
一方で現在、人事関係や広報関係のお仕事をされていると、そのサイトでのネガティブ評価に頭を悩ませておられる方も少なくないと思います。

求職者の立場では参考にしたはずの「口コミサイトでの様々な評価」が、立場が変わると「ネガティブなことは書いてほしくない」と変わるのは面白いもの。
今回は、この口コミサイトでのネガティブ評価への対策方法を解説します。

目次

求職者の約9割が口コミサイトを利用

様々なものがありますが、代表的なものとしては株式会社リブセンス様が運営する「転職会議」やオープンワーク株式会社様が運営する「OpenWork」、就活会議株式会社様が運営する「就活会議」などがあります。

このコラムを読んで頂いている方も、一度は見たことがあるというサイトもあるのではないでしょうか。

多くは退職者や、一部現役社員が様々な評価を匿名で書いているので、「食べログ」感覚で企業調査を行う求職者は多いです。

実際エン・ジャパン株式会社様の『月刊「人事のミカタ」』、2019年の『「クチコミ&企業コメント」の極意』でも約9割の方が口コミサイトを利用すると回答され、その内6割の方が「ネガティブな評価もある口コミが参考になる」と回答されています。

これは求職者の立場にたてば当然でしょう。

なぜ口コミサイトを求職者は求めるのか

心理学の視点

心理学に「ウィンザー効果」というものがあります。当事者が発信するよりも第三者の情報方を信頼するという心理です。

例えば私が「WEBサイトのリニューアルならネクストソリューションズが一番良いですよ!」とここで声高に叫んだところで、多くの方は耳も傾けてくれないでしょう。
営業がその典型ですよね。

なぜ営業の方の情報を鵜呑みにできないかと言えば、まさにウィンザー効果が働いているわけです。当事者が積極的に競合他社よりも自社のサービスが優れていることをPRしても、時には逆効果になるわけです。

これは心理学なので、抗いようのないことです。

現実的に面接では聞けないことはある

「なんでも聞いてください!」という人事ご担当者様に質問です。
ではその会社に応募されたとき、給与や退職金など様々な金銭条件、リモートワークやフレックスタイムなどの多種多様な働き方、制度の有無だけでなく経営陣はじめ会社文化として多様性を受け入れているか…。

このような質問が出来た方はいらっしゃいますか?おそらくほぼゼロではないでしょうか?
ですが、これって求職者の立場では最も重視していることですよね?

株式会社AlbaLink様の「就職・転職活動中に本当は聞きたいけど聞けない質問に関する意識調査」でも、このような質問はしたいが、採用に於いて自身が不利になると判断して聞いていないことが明らかになっています。

これらを確認するために、口コミサイトで「実態調査」を行っているのは、推測でもなんでもなく、このコラムを読んでいる方すべてが経験者ではないでしょうか?

ではどのように口コミサイトに対処するのか?

そうは言ってもネガティブな意見があまりにも目立つと、優秀な人材に敬遠されてしまう可能性がありますよね。ではここでその対策方法をいくつかご提案します。

自作自演はバレるのでNG

口コミサイト内で自作自演をやっている方、企業もたまに見受けられます。
しかし、冷静に客観的な立場にたてば「わざとらしさ」が際立っていませんか?
上司の指示の下でコメントを書いているので、同一人物らしき方が連投。内容も風通しが良い、裁量も大きい、評価も公正で納得のいくもの…など。
いや、どこの会社だって「良いことも悪いことも」普通ありませんか(笑)?良いことしかない組織があるなら、このコラムを読んでいる方だってみんな行きたいですよね(笑)?

これはバレて、かえって逆効果なのでやめましょう。

もし違法性のあることが事実なら見直しましょう

このコラムを読んで頂いている方が所属されている企業にはないと思いますが、ブラック企業と言われるような制度や風土があるのであれば、真摯に向き合い改善しましょう。

パーパス採用の記事を投稿させていただいていますが、これから人口減少で売り手市場は必然的に続きます。
これからは求職者が企業を選ぶ側です。選ばれる企業になるために様々な採用ブランディングに取り組んでいかなければ、先の「自作自演投稿」では求職者に選ばれることはなくなっていきます。

アルムナイ・ネットワーク

アルムナイとは卒業生という意味です。つまり卒業生のネットワーク。同窓会のようなものです。
それを企業に置き換え、退職者と今後も友好なネットワークを作ろうという考え方です。

退職者に対して、「どうせ辞めるんだから、適当に扱おう」と残り期間扱っていませんか?
どのような細かいことでも良いです。役職を持っていた方なら、それをはく奪したり、チームメンバーと引き離したり…。
会社で契約しているチャットシステムなどでも、有償プランがもったいないので無償に切り替えてしまおう等。

こんなことをされた当事者が、その会社のことを「好き」で居続けるでしょうか?聞くまでもなく「否」ですよね。これがそもそも、口コミサイトでのネガティブな評価にも繋がっていくわけです。

退職者を必要以上におもてなししましょうという意味ではありません。ただ「どうせ出ていく人」という扱いは、そもそも企業がその方に対し、今後の縁を切ろうと言っているようなものですよね?

アルムナイ・ネットワークの成功事例

このアルムナイ・ネットワークが上手いのがリクルートグループ様。

リクルート様は知る人ぞ知る、このアルムナイ・ネットワークを古くから大切にされている企業の代表格だと思いますが(このコラム、リクルート様から依頼受けていません:汗)、社内報「かもめ」というのがあるのですが、これがリクルートを卒業(リクルートで退職者に使用する言葉)された方にも届くというのが先進的だと思います。

私も実は、少しリクルートグループ様は過去に他社からの出向で関わらさせて頂きましたが、今もコンタクトを取っている方はいませんが、ネガティブな感情は全くなく、むしろ雇用関係もなかったのに、良い感情が圧倒的に多いです。
実際、このようになんの関係もなくリクルート様の宣伝を事実上しているわけですから。

退職した方と、今後も友好な関係を築くことはこれからの時代、とても重要になってきます。

自社採用サイトで等身大の自社を公開

最後はここです。
結局自社の採用サイトがあっても、求職者にとっての不安を払拭するに足りる情報でないから、口コミサイトに頼るわけです。
よくある「数字で見る〇〇」や「社員インタビュー」も取り繕ったものになっていませんか?

Z世代が欲しいといって、実際は平均年齢が高いのにも関わらず、まるで若手が裁量を持って働いているように見せるなど…。

求職者は分かっていますし、その証拠集めとして「口コミ」サイトで「答え合わせ」を行っているのです。

等身大で自社をしっかりと見せることが大事です。例えばリモートワークが実際は制度があっても、経営陣が好ましく思っていないなら、隠し事なしにそう言った方がよいでしょう。代わりに好ましくは思ってないけど、長く続けてほしいため、もし家族の関係などで会社拠点以外のところに居住しなくてはならなくなった場合は、その制度を会社が推奨しているなど、悪い評価と良い評価。両方を並べることで求職者の心象も良くなります。

まとめ

口コミサイトを活用することは求職者の立場に立てば至極当然です。
そしてむしろ、その中にネガティブな評価がなければ「自作自演」などと逆に不審がられてしまいます。

ですのでネガティブな評価は受け入れましょう。それも求職者にとっては重要なアドバイスなのですから。
むしろ、ネガティブな評価もあるけれど、ポジティブな側面を着飾らず、等身大で自社の採用サイトを活用してアピールしましょう。
求職者は面接に於いては当然弱者です。だからこそ聞きたいことも聞けません。採用サイトではありのままを伝えることが重要です。

そして退職者と友好な関係を今後も築くようにしましょう。
これからは労働人口も下がり、ますます売り手市場が続いていきます。OB・OGがいつまでもその企業のことを出身会社として誇りに思えるような企業であれば、必然的にネガティブな評価以上にポジティブな評価が自然な表現で増えていきます。

著者・編集者情報

藤江信之 (マーケティング室)

京都出身。

大学卒業後、税理士向け商社で営業マンを経験したのち、2000年代前半より広告代理店や、WEB制作会社等で主にクリエイターとして従事。
大手エネルギー会社や、大手小売店、某市地下鉄などのWEBサイトやプロジェクトに関わる傍ら、2010年頃まで、都内のWEBデザインスクールで非常勤の講師を務める。

その後クライアントワークから、自社の広報マーケティングにキャリアチェンジ。
上場IT企業のマーケティング部門立ち上げに中心メンバーとして関わり、ウェビナーや展示会の運営などを通じリード創出を行う。

人材サービス会社を経て、2023年6月ネクストソリューションズに入社。
“提案サイド”と“担当者サイド”両方を経験した知見を活かし、マーケティング室の立ち上げ中。

趣味は市民ランナー&高校野球観戦&古城跡散策のマニア。

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