2023.08.15

マーケティング

コンテンツマーケティングの本質はファン作り

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コンテンツマーケティングという言葉は随分と浸透したように思えます。

一方で少し、狭義にご説明されている方も少なからず見受けられるなぁと感じ、有名オウンドメディア作成にも関わってきた経験から、今回は広義な意味でのコンテンツマーケティングを改めて解説したいと思います。

目次

コンテンツマーケティングはファン作り

バイネームでご紹介はできないのですが、10年ほど前、恐らくこのコラムを読んで頂いている皆様全員がご存じの「大手広告代理店」請けで、こちらも皆様全員がご存じ、ご利用されている方も多いと思われる「消費者向け用品メーカー」のオウンドメディア(コラムサイト)の運営に関わらせて頂きました。

そこでは明確にターゲットが設定されており、そのターゲットに向けて2軸のコラムを当時所属していた会社で、月2回配信していました。

1つは「商品の利用シーンをご提案する記事」。もう1つはターゲットが喜ぶであろうと仮設立てた、商品とは全く関係のない記事でした。
言える範囲でお伝えしますが、具体的には粋なお店の楽しみ方や、著名人のインタビュー記事等です。

なぜそのような「商品と全く関係のない記事」を出すのか?それはそのメディア=つまり、そのメーカーのファンを作るためでした。

なぜファン作りが大切なのか

今の時代、業種を問わず「そこの会社の商品・サービスでないと類似品も存在しない」なんてことはありませんよね?差別化が出来なくなってきた、技術などが平均化、一般化されてきた。マーケティング用語でいうところの「コモディティ化」が進み、消費者(BtoB、BtoC問わず)は「似たもの」を比較せざるをえません。

私は過去に会計ソフトメーカー広告代理店ECパッケージメーカーCMSメーカー求人媒体運営会社などでお世話になってきました。

どれも残念ながら本音は「オンリーワン」ではありません。求人媒体なんて皆様自身が一番わかって頂けると思いますが、いざ転職などを考えたら、どの媒体に登録しようか悩むくらい大量に存在していますよね?

商品・サービスでは明確な差別化を示すことが難しいからこそ「この会社の商品が好きだ」という理由で、選んで頂けるような仕組み作りが大切なのです。

ファン作りのためのコンテンツとは

ファン作りという視点では、営業の方は「感覚的」に理解頂きやすいと思います。「商品力でなく営業マンで選ばれたんだ!」というその気概です。

コンテンツマーケティングって、それをWEBサイトで行うことと言えば、一番理解して頂きやすいと思います。恐らく営業の方も、それぞれのキャラクターを出して「お客様と仲良くなる」ことを考えられると思います。私も過去に営業をしていた当時は、お客様のところに行ってコーヒー飲んで、一緒にプロ野球の話で盛り上がってみたりしました。

車が好きだったので、バッテリーが上がったお客様の車に緊急措置をしたりなんてこともありました。

商品の話ばかり、訪問の度に見積もりを出していたら仲良くなんてなれませんよね?コンテンツマーケティングも同様に、「買って!」「アポ取らせて!」という「売り売り」の情報ばかりではなく、純粋に「未来のお客様になって頂ける可能性のある読者の方」が喜びそうな記事を発信することが重要です。

コンテンツマーケティングで必要なツール

当コラムの読者で、ツールのプロダクトメーカーの方がいらっしゃれば「余計なこと言うな!」と思われるでしょうが、忖度なく話すのがこのコラムの編集方針ですので、言っちゃいます。

コンテンツマーケティングで必要なツールは…「ありません!!」

CMSが要る?分析のためのMA/CRM/SFAが要る?

いいえ、もちろんあれば「それに越したことはない」ですが必需品ではありません。CMSがなくてHTMLでWEBサイトを更新しないといけない…

だったらnoteでも良いですし、他のブログを使って情報発信すれば良いです。MAなどもあれば良いですが、取り急ぎ「読者が増えているか」「読者の好みの傾向」が分かる分析ツールさえあれば、別にGoogleアナリティクスである必要性すらありません。

コンテンツマーケティングはリードナーチャリングではない

どうもツールありきでお話される方の特徴として、コンテンツマーケティングをリードナーチャリングと置きかえてお話されているケースが見受けられます。
確かにコンテンツマーケティングは、「にわかファンを熱狂的なファン」へ育成していく要素も含みます。

マーケティング用語で言う「スコアリング」的な考えです。ですから「MAが必要です」となるのでしょうが、それはコンテンツマーケティングという大きな概念の中の一部にしかすぎませんし、そもそもスコアリングは使えない業界も少なくありません。

例えば弊社のようなWEB制作業界。WEBサイトってほとんどの会社が4~5年周期でリニューアルを検討されることが多いです。
つまり「先月リニューアルを済ませた企業」にはスコアリングなんて概念は机上の絵空事です。

車や家なども同じですよね?先月買った方に、どんなコンテンツを送ったところで、営業的アプローチをしたところで「2か月連続で車や家を買い替える」方なんていたとして、世の中に限られていますよね。

ではこういう方にはコンテンツマーケティングは不要でしょうか?答えは「否」。買い替えが来たタイミングで自社が選ばれるために、ずっと種を撒き、水と肥料を与え、芽が出るまで大切に大切に育てていくことが重要です。

コンテンツマーケティングは養殖の稚魚を大切に育てていくこと

私は持論としてコンテンツマーケティングを目先の結果を求める部門の方が行うことは推奨しません。なぜならば稚魚に無理やりエサを与え続け、大切に育てていけば数年後には大きく育ったはずの魚が、逃げ出してしまう危険性があります。

目先の商談先確保と、コンテンツマーケティングは別物として対応していくことが望ましいです。

特に弊社のような営業リードタイムの長い商品・サービスを扱っておられる企業様は特に、「生簀の稚魚」を大切に育てることを重視しましょう。
例えばこのコラムだって全記事「WEB制作会社の選び方」「WEBサイトのリニューアルについて」などセールス色の強いものばかりならいかがでしょうか?

その記事を見て、問い合わせがあったところで、恐らく全体のパイ=弊社に関心を持っていただける母集団は増えないでしょう。
仮にその記事を見て、結果WEBサイトのリニューアルをしていただけたとしても、そのお客様すら次のリニューアルまで、弊社との関係性が途切れます。

そしてその4年間ほどの間に、そのお客様は他の制作会社様が出しておられる有意義なコラムやセミナーなどに触れ、その会社のファンになり、次回のリニューアルは「他社にリプレース」されるのがオチでしょう。

コンテンツマーケティングは「急がば回れ」。長い目で大切にメディアそのものを育成することを考えて取り組んでみましょう。

著者・編集者情報

藤江信之 (マーケティング室)

京都出身。

大学卒業後、税理士向け商社で営業マンを経験したのち、2000年代前半より広告代理店や、WEB制作会社等で主にクリエイターとして従事。
大手エネルギー会社や、大手小売店、某市地下鉄などのWEBサイトやプロジェクトに関わる傍ら、2010年頃まで、都内のWEBデザインスクールで非常勤の講師を務める。

その後クライアントワークから、自社の広報マーケティングにキャリアチェンジ。
上場IT企業のマーケティング部門立ち上げに中心メンバーとして関わり、ウェビナーや展示会の運営などを通じリード創出を行う。

人材サービス会社を経て、2023年6月ネクストソリューションズに入社。
“提案サイド”と“担当者サイド”両方を経験した知見を活かし、マーケティング室の立ち上げ中。

趣味は市民ランナー&高校野球観戦&古城跡散策のマニア。

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