2023.08.25

マーケティング

書籍マーケティングはご存じでしょうか?

  • 広告

「書籍(出版)マーケティング」という言葉を聞かれたことはありますか?

昔所属していた会社で、この書籍マーケティングに関わる機会があったので、今回はこちらについて解説していきたいと思います。

目次

書籍マーケティングとは

結論から言ってしまうと、書籍を活用した広告PRになります。

「ん?どういうこと??」とこの時点では思われる方がいると思います。私も初めてこの言葉を聞いた時「???」となりました。
後で説明しますが、出版には大きく3つの種類があり、その中で「企業出版」(出版社により異なるサービス名の場合もアリ)と呼ばれる形式になるのですが、「書籍」そのものを「広告」として活用するマーケティング手法です。

具体例でお話すれば、例えば弊社のようなWEB制作会社が、「WEBマーケティングについて」というお客様向けの書籍を出版します。
それを書店などで購入いただいた読者の方は、例えば弊社が著者であったとした場合「ネクストソリューションズの〇〇さんがこんなことを言っている」「良さそうだな、一度担当者に接触してみよう」等と、文字通り「広告の役割」を期待して出版する形式になります。

「書籍の売り上げは出版社に入るので、書籍の売り上げを期待するものでなく、売れたことにより自社やサービスの知名度が向上し、本業で儲かるための出版」と言った方が伝わりやすいでしょうか。

主に3つに分かれる出版形式

「書籍を出す」

と言えばかなりハードルが高いイメージがありますよね?しかし書籍を出すには意外とハードルは高くないのです。

  • 出版社が費用を負担する商業出版
  • 出版に関わる費用を負担する企業出版
  • インディーズのような自費出版

次に簡単に解説します。

商業出版とは

こちらが皆様も一番イメージされている出版です。
出版社から依頼があって「〇〇先生!ぜひこのテーマで書籍を書いてください!」というものですね。こちらは著名な作家や、スポーツ選手や文化人など限られた方…いわゆるプロの方が出すものですね。

企業出版とは

もう一度、企業出版をおさらいすると、まず出版する費用は会社が負担します。ただこちらは広告で、書籍を売って利益を得るのは出版社のみです(※契約によりけり)。企業は書籍の売り上げや、印税目的ではなく、書籍(広告)を通じて自社やサービスの知名度向上や、サービスそのものの受注を増やし、広告が費用対効果に見合ったものかどうかという判断を行います。

全く売れない場合、出版社が損をすることになるため、出版社が指南してくれたり、顔の利く書店に並ぶなど露出に関しては全て出版社が対応してくれます(繰り返しますが、仮にベストセラーになっても、書籍の売り上げは自社には分配されません)。

自費出版

いわゆる音楽でいうところの「インディーズ」ですよね。文字通り自分の責任で出版する形式です。
商業出版は、出版社が「売れる」と思った書籍を出版するもの。「売れる売れないは別に、自分の作品に拘るんだ!」とまさにインディーズのようなスピリットがある方はこちらが良いです。契約内容や出版社によって、校正をプロの方にやって頂けるなど、多少サービスの違いはあるようです。

書籍そのものの広告

企業出版は「書籍自体が広告」とお伝えしました。だからこそ目立たないと意味がありませんよね?
そのため様々なサービスが各社にあります。

  • 書店ジャック
  • 出版社の媒体で宣伝
  • 出版社のイベントで宣伝

主にこの3種類が多いですが、出版社により異なるので注意が必要です。

書店ジャック

その中で、一番効果的なのは「書店ジャック」だと思います。
書店に行くと「〇〇書店売り上げ1位」といったポップなどをよく見かけますよね?
もちろん全書籍がすべてこちらに該当するわけではないのですが、企業出版の広告支援だと、特定書店で1位になるだけの書籍を、実際に自社で買い取ってしまいます。

そのことにより、1位になるという手法です。買った書籍は「自社のもの」になるので、再度販売などはできませんが、例えばお客様にプレゼントしたり、ウェビナーや展示会などでのノベルティとして活用可能です。

出版社の媒体で宣伝

そもそも媒体があるかないかによりますが、出版社によっては人気の媒体に一度、純広告のような形で書籍を掲載いただけるサービスがあります。

WEB版と連携されているケースもあります。

出版社のイベントで宣伝

出版社がカンファレンスなどを運営されている場合、そのブースなどでご紹介いただけるというものです。

企業出版を成功に結び付けるために

企業出版を成功につなげるために、私自身関与した経験から、次に挙げる戦略や体制をしっかり作り、書籍をどのように活用するかを明確にしてから出版することです。

  • プロジェクトチームを作る(著者単独で進めるのはNG)
  • 書籍の活用方法(展示会で配布するため等、目的を明確にする)

会社組織も大きくなればなるほど、書籍を出した時の会社体制が変わることもあるでしょう。
また人材の流動性が激しい現在では、その著者が他社に転職する、あるいは独立されるといったこともあるでしょう。

こういったことが起きても、書籍を有効に活用していけるために、書籍の内容等もプロジェクトチームでコントロールが出来ることが望ましいです。
そして活用方法ですね。

個人個人に任せるのではなく、ノベルティとして活用するにしても、その条件などをあらかじめ明確にしておいた方が良いです。
上手く活用することが出来れば、単なるWEB上のコンテンツ以上に信頼感も高まりますし、効果も高まるものだと思いますが、一方で「本が出せる」といった個人のステータスに走ってしまう側面があることも事実。

実際書籍マーケティングを実施すれば、ローカル局の番組であれば複数回、テレビに露出させることだって出来るほどの予算を使います。
だからこそ「無駄にならないよう」に綿密な戦略を練ってから進めることが望ましいと考えます。

著者・編集者情報

藤江信之 (マーケティング室)

京都出身。

大学卒業後、税理士向け商社で営業マンを経験したのち、2000年代前半より広告代理店や、WEB制作会社等で主にクリエイターとして従事。
大手エネルギー会社や、大手小売店、某市地下鉄などのWEBサイトやプロジェクトに関わる傍ら、2010年頃まで、都内のWEBデザインスクールで非常勤の講師を務める。

その後クライアントワークから、自社の広報マーケティングにキャリアチェンジ。
上場IT企業のマーケティング部門立ち上げに中心メンバーとして関わり、ウェビナーや展示会の運営などを通じリード創出を行う。

人材サービス会社を経て、2023年6月ネクストソリューションズに入社。
“提案サイド”と“担当者サイド”両方を経験した知見を活かし、マーケティング室の立ち上げ中。

趣味は市民ランナー&高校野球観戦&古城跡散策のマニア。

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