2023.09.08

ITトレンド

SNS時代の必須スキル「ファクトチェック」

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記憶に新しいところで、2016年に起きた熊本地震の際、「ライオンが動物園から逃げた」とTwitter(現X)に投稿し社会問題になりましたよね。

他にも時事問題を扱うものだと、メッセージを発信される方の立場から「切り取り」などが行われ、元の発言とは全く異なるニュアンスで拡散されるなどは、SNSを普段からよく活用されている方であれば「よく見かける日常」になっているのではないでしょうか?

今回はそのようなフェイクニュースやデマに騙されないため、SNS時代、インターネットリテラシーを高めるためにファクトチェックについて解説します。

目次

アナログ時代に流布した「ノストラダムスの大予言」

Z世代の方はご存知でないかもしれませんが、一定世代以上の方なら懐かしいはずの「ノストラダムスの大予言」。

ここで細かいことは話しませんが、要するに1999年7月に地球が滅亡するという予言がありました。今、こんなことを言っていれば「頭おかしいのでは…」と思われそうですが、あの時代を生きた人たちの少なくない方が、大なり小なり、信じるというか、少なくとも無視はしていませんでした。

なぜそのような馬鹿馬鹿しい非科学的なことが、インターネットもまだまだ一般的ではなかった、今からまだ20数年前に世の中に広がっていたのか。

私は大学で社会学を専攻していたのですが、人を支配するために一番簡単なものは「恐怖」だそうです。
このノストラダムスの大予言、もっと最近でいえば東日本大震災の際も様々なデマが流れましたが、いずれも楽観的なものでなく、絶望を感じさせるものばかりですよね。

冒頭の熊本のライオンも然りです。これは残念ですが私たち人間は、「不安をかられるデマ」に心が支配されてしまいがちなのはやむを得ないと言えます。

ある意味、人間も生物として生存していくために、無意識のうちに危険に対する情報を求めているということかもしれないですし、それは生存するための本能としては当たり前のことなのかもしれません。

WEB2.0で誰でも情報発信者になった

WEB2.0については「【今さら聞けない】WEB3(ウェブスリー)って何?」内で簡単に解説していますので、ぜひ参照して頂ければと思いますが、要するに2005年前後にWEB2.0と称される、WEB業界に大きな革命が起きました。

その概念の中、これまでは情報を受け取るしか出来ない。情報を発信しようとするとインターネットであってもサーバを準備して、HTMLでWEBページを作成できるなどの専門スキルが必要でしたが、専門スキル不要で誰でも簡単に情報発信者になれるようになりました。

私も個人のSNSアカウントは3,000人ほどはフォロワーもいるので、ある限られた場所にいくと顔等知っている方に声をかけられたりします。

この行為に満足と言いますか、自己陶酔のように陥っていくと今のYouTubeなどもその傾向が強くなってきていますが、手っ取り早く注目を集めるためには、人が無意識に関心を向ける「不安を煽るような情報」を発信する方が簡単なわけです。

誰も簡単に情報が発信できるようになり、「ただの一般人」が「有名人」になれる現在だからこそ、インターネット上には「不安を駆り立てるフェイクニュース」が溢れかえっていると思っておいた方が安全かもしれません。

デマに流されないために必要なこと

ライオンが逃げたは少し違いますが、東日本大震災の際の様々なデマは「誰かがこのように言ってた、国などの情報は隠し事があるから、信頼できるインフルエンサーの方が信憑性がある」という論調が大半でしたよね?

「心理学から見たWEBマーケティングの重要性」内でもウィンザー効果について解説しているので参照頂ければと思いますが、基本人間は心理学的な視点で、当事者より第三者の意見を信じます。

ですのである意味、未曾有の事件などが起きた際、国などの当事者よりも、全く見ず知らずの第三者にあたる、「インフルエンサー」などという怪しい存在を信じてしまうのは仕方のないことです。

ですが、デマに流されないたった一つの簡単なこと。

感情で物事を見ずに事実のみを見ることです。

「そうは言っても、もし万が一のことが起きたら…」そんな不安感にかられるのは、先ほども触れましたが人間として当然のことです。
ですがそれがエスカレートした結果が、過去起きたこととして、東日本大震災での様々な風評被害や、また冒頭でも触れた、非科学的で馬鹿馬鹿しい限りの「恐怖の大魔王」による地球滅亡を信じたノストラダムスの大予言です。

まず大切なことは事実のみを見ることが、デマやフェイクニュースに騙されない鍵になります。

フェイクニュースの特徴

あとフェイクニュースには特徴があります。
「目立ちたいからやっている」と、「特定の思想信条にバイアスがかかった」どちらかのタイプに大抵は分類されると思います。

熊本のライオンは前者ですし、東日本大震災関連は後者が多い傾向にあると思います。
これ見抜くことは難しくなく、その発信している方のSNSプロフィールを見てみましょう。

あと直近の投稿や、拡散している内容など。

大体それでその方(アカウントの性格)が分かると思います。
あと投稿内容に「知り合いから聞いた」「〇〇が言っていた」等。

冷静に考えてみてください。一般の社会生活で見ず知らずの人が「私の知り合いが、〇〇の権威者で〇〇って言ってます!だから危険です!」なんて言ってたとしましょう。
こんなの信じるわけありませんよね?

SNSも全く同じ。よく考えてみてください。顔も名前も知らない匿名の誰かの「知り合いだという、権威ある誰かさん」の意見に信憑性はありますか?

ファクトチェックに特別なスキルは不要

ここまで触れた通り、ファクトチェックには特別なスキルは不要。
少し悲しいかもしれませんが、性善説で情報をみるのではなく「これデマかもしれない…」と思って情報を見るクセを付けた方が良いかもしれません。

まとめると次のことを押さえておけば良いのではと思います。

  • そもそも人間は不安をかられる情報に敏感
  • 心理学上、当事者の情報より関係のない第三者の意見を信じてしまう
  • 元の情報にアクセスして真実のみをまずは調べる
  • 安易にセンセーショナルな投稿を拡散しない(デマの片棒を担がない)

特に会社のSNSアカウント運用ご担当者様は、これらフェイクニュースを拡散やいいねしてしまうことで、信頼を損ねてしまう危険性もあるので、衝動にかられるのではなく、しっかりと元情報(一次情報)を調べて、真実か否かをチェックするようにしたいところです。

著者・編集者情報

藤江信之 (マーケティング室)

京都出身。

大学卒業後、税理士向け商社で営業マンを経験したのち、2000年代前半より広告代理店や、WEB制作会社等で主にクリエイターとして従事。
大手エネルギー会社や、大手小売店、某市地下鉄などのWEBサイトやプロジェクトに関わる傍ら、2010年頃まで、都内のWEBデザインスクールで非常勤の講師を務める。

その後クライアントワークから、自社の広報マーケティングにキャリアチェンジ。
上場IT企業のマーケティング部門立ち上げに中心メンバーとして関わり、ウェビナーや展示会の運営などを通じリード創出を行う。

人材サービス会社を経て、2023年6月ネクストソリューションズに入社。
“提案サイド”と“担当者サイド”両方を経験した知見を活かし、マーケティング室の立ち上げ中。

趣味は市民ランナー&高校野球観戦&古城跡散策のマニア。

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