2023.10.18

WEB業界

時代の変遷が速いインターネット~変わるものと、変わらないもの~

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今では生活の一部にすっかり浸透した「インターネット」。

その歴史はあまり古くなく、日本で浸透していくきっかけの1つになったと言われるのが、阪神淡路大震災。
1995年のことでした。つまり「Z世代」と呼ばれる方の中で「最年長」の方が生まれた頃。

30年もたっていない歴史ながら、そのスピードは速く、様々なものがその瞬間、瞬間で「バズり」、そして何事もなかったように姿を消していった、あるいは別の物に変わっていきました。
今回はインターネットの歴史を簡単にご紹介していきたいと思います。

目次

インターネットの起源

いくつか説がありますが、ここでは総務省が発表している情報をベースにご紹介します(参考サイトはこちら)。

元は1967年にアメリカで始まった、ARPAnet(アーパネット)とされています。
若い世代の方は知らないかもしれませんが、当時の社会背景は「東西冷戦」と呼ばれ、緊張感のある時代(私もさすがに生まれていませんが…)。キューバ危機(1962年)などが起きた頃で、このARPAnetも、アメリカ国防総省の資金でスタート。よく言われますが、インターネットも軍事から民間に転換していったものと言えるかもしれません。

その後、日本にも渡ってきたインターネットは1984年、東大、東工大、慶應の3大学を繋ぐネットワークとしてスタートした、JUNET(ジェイユーネット)が起源とされています。

当時どんな時代だったかと言えば、私は小学生でしたが阪神タイガースが優勝して、今も語り草になっていますが、「カーネルサンダース人形」が道頓堀に投げ込まれる…なんてことのあった頃です。

ただまだ当時はインターネットは一般的なものではなく、阪神優勝を伝えるのは、テレビと翌日の新聞のみという、今では信じられない時代でした。

その後、インターネットが一気に浸透したとされるのが、1995年の阪神淡路大震災。この頃にはパソコンもWindows95が普及しはじめ、一気に一般的なものになっていきました。
実際私も当時大学生でしたが、1回生(関西の大学では年生と表現せず、回生と呼びますので、その表現です。)の頃はインターネットは普及してませんでしたが、卒業するときは、当時の大学生が使いこなしていた訳ではありませんが、「インターネットがあった」という記憶はあります。

WEB業界の会社も大体この前後に誕生(創業)したところが、ほぼ「最古」で、弊社もこの1995年に創業しています。

企業WEBサイト開設率の爆発的な伸び

総務省のデータによると、1995年は約24%の企業がWEBサイトを開設したとされています。翌年にはそれが、2倍近くに増え39%まで伸びていますが、それでもまだまだ半数近い企業はWEBサイトはありませんでした。

私も記憶にありますが、就職活動でいわゆる「著名企業」の一次面接会に参加しようとすれば、インターネットで申込がまだ一般的でなかったので、電話で人気アーティストのライブチケットを取るような感じ。私もずっとPHS(同世代の方は懐かしんで頂けると思いますが、当時はやっていた携帯電話です)で、ずっと電話をかけ続けた記憶があります。

まだまだWEBサイトの技術は高くなく、今のように予約受付なんてものはほぼ無かったと思います。私がWEB業界でクリエイターとして活動し始めるのが2003年あたりですが、当時はCGIと呼ばれる技術で、掲示板や簡単なフォームを作るまでが精一杯。カタログサイトと呼ばれる、本当に簡素なWEBサイトがまだまだ主流でした。

技術としては存在していましたが、今では一般的なCMSを使うサイトも超少数でした。

一世風靡したインターネットサービス

ではここまで、軽くインターネットの歴史。そして日本にも浸透していった流れをお伝えしましたが、いよいよここから一世風靡したインターネットサービスをご紹介したいと思います。
今回は次の5つに絞ってご紹介していきたいと思います。

  • iモードを中心としたガラケーサービス
  • X(旧Twitter)以前に日本で主流だったSNSたち
  • Googleのトップページを自由にカスタマイズできたiGoogle
  • みんな使っていたInternet Explorer
  • 第一次メタバースブーム

iモードを中心としたガラケーサービス

NTTドコモが運営していた、いわゆる「ガラケー」サイトのインターネットサービスです。細かい技術的な功績はここでは触れませんが、EZwebというサービスもありました。当時から「携帯電話」でインターネットにアクセスするというのは一般的になっていて、特にBtoCと呼ばれる業界では、PCサイトに加え、「ガラケーサイト」をドコモ、au、ソフトバンクの主要3キャリア作り、まだCMSが一般的でもなかったので、更新は1キャリアづつ手作業で行っていました。

この後、紹介しますが当時主流だったSNSサービス「mixi」で流行ったゲームなども、ガラケーで遊べるなど、内容はかなりクオリティの高いコンテンツが多かったです。

X(旧Twitter)以前に日本で主流だったSNSたち

今も触れたmixiが一時期は、日本ではSNSの代名詞でした。2000年台の始めから、東日本大震災のあった2011年前後までは圧倒的にmixiで、当時その競合にあったものとして、GREEなど「日記」を書いて、その日記を基点にコミュニケーションが増えるという仕組みでした。今では「フォロワー」という言葉が一般的ですが、当時は「マイミク」で、今と同じ様に「オフ会」なども頻繁に行われていました。

私も今は交流がなくなりましたが、何度か新宿あたりでお酒を飲み交わした同性の友人グループがありました。
他にも音楽が好きな方であれば、これは海外のSNSですがMyspace等も流行っていました(今もmixi、Myspace、Greeは少し形を変えつつもサービスを継続しています)。

Googleのトップページを自由にカスタマイズできたiGoogle

2010年前後ですが、Googleのトップページを個人個人カスタマイズできるというサービスが流行っていました。
好きなガジェットを自由に組み込んで、私であれば天気予報や、気になるニュースをメインに表示させていた記憶があります(見た目のイメージですが、今のGoogleトップ画面よりも、Yahoo!に近いかもしれません)。

またこれは先の「かつてのSNS」で紹介すべきかもしれませんが、Googleも「Google+」というSNSを同時期に運営していました。当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったアイドルグループ「AKB48」とタイアップもして話題のSNSでした。

みんな使っていたInternet Explorer

今、皆様会社のPCからWEBサイトを閲覧されるとき、WindowsのかたもMacの方もChromeを使っておられる方が多いと思います。

上記はW3counterの2023年9月のデータですが、世界レベルで圧倒的にChromeが使われています。

一方こちらはW3counterの2007年9月時点のデータです。
ご覧いただくと分かると思いますが、まだChromeは開発前。多くの方がInternet Explorer、WEB系の方であればFirefoxユーザが多い時代でした。

次の10年後、20年後また新しいブラウザが取って変わるのか、変わらずChromeが「王座」を守るのか注目ですが、変わるときはこのように一瞬で変わる可能性があるということですね。

第一次メタバースブーム

これは私の造語ですが、WEB2.0等と語っていた時代、まさに先の2007年あたりですが、当時からWEB3.0、メタバースの「起源」のような存在としてSecond Life(セカンドライフ)や、アメーバピグ(サイバーエージェントのサービス)などがありました。私も当時、NTTグループが出していたサービスに協力会社の1社、1人して参加させて頂いていました。

まだどこも「時代が追い付いて来なかった」だけで、もし今、もう少し洗練されたサービスを出せば、様々な仮想空間サービスに対抗できるものだったのではないかと思ってしまいます。

WEBのトレンドは盛者必衰

ご紹介してきたように、Internet Explorerがここまでマイナーなブラウザになること、あの大全盛期にmixiがここまで他のSNSに負けてしまい、インフルエンサーが見向きもしない…こんなことは誰も想像していなかったですし、その「天下」は本当に短いものです。

今、X(旧Twitter)が完全有料制になるのか否かなどが話題になっていますが、もし実現すればひょっとしたら、10年後は全く違うSNSが「天下」を取っている可能性もあります。
変わるときは一瞬で変わってしまうのがWEB、インターネットサービスです。

2023年は年明けから、ChatGPTが話題でしたが、AIチャットボット自体は以前からあったもの。この熱はどこかで落ち着くと思います。そして来年、再来年には全く違うものが「流行っている」と思います。
事実、2021年頃だったと思いますが、当時いた会社で「今はWEBマーケティングという言葉が流行っているけど、こんなの瞬間的なもので、すぐに流行りではなくなる」と勉強会で話したことがあります。

多くの方に、実は「また始まったよ」とばかりに鼻で笑われましたが、実際いかがでしょう?「WEBマーケティング」って言葉、みなさまは今年何回、口に出されたでしょう?

AIバブルなんて言われているように、「ChatGPTって流行っていたよね?」と私はスグに言われる状況になると思います(もちろんChatGPTが無くなるという意味ではありません)。

大事なことはツールでなく中身、コンテンツ

しかし変わらないものがあります。例えばSNS。私の個人のフォロワーには、mixi時代の旧マイミクもいます。要は中にいる人の集まる場所が、mixiからX(旧Twitter)に変わっただけです。
もちろん、mixi時代はSNSをしていなくて、Xになって初めてSNSを始めたという方も大勢いらっしゃいますが、本質は伝わっていると思います。

アメーバサービスもかつて、多くのタレントとタイアップし、一世風靡をしましたがコンテンツの発信場所が、例えばYouTubeやnote等に変わっていっただけですよね?
つまり、ツール、プラットフォームは変わっても、コンテンツは永遠だということです。

私たちが使いたいのは「ツール」ではありません。そこから得られる体験が欲しいだけですよね?恐らくChatGPTも暫くは話題になるでしょうし、中にはCMSなどと連携させて、コラムを自動生成などの機能もでるかもしれませんが、その内容がシンプルにユーザ(読者)にとって有意義でなければ、誰も読まないですし、それはつまり、自動生成機能は使われなくなっていくだけだと思います。
少なくとも、ChatGPTに限った話をすれば、まだまだ人間のように感情を持ったコンテンツを作れるとは思いません。

瞬間、瞬間で流行ったツールに左右されるのではなく、それを使って何がしたいのかを意識して頂ければと考えています。
私が2003年あたりにWEB業界に入って以降、多くの一世風靡をしたサービスが、10年持つか持たないかのスパンで姿を消していきました。

しかし「SNS」も「ブログ」も「WEBサイト」もずっと残っています。YouTubeだって同様です。YouTubeというプラットフォームは永遠かどうかは分かりません。
ですが、そこにある有益な動画はYouTubeでなくても閲覧され続けるでしょう。

変わらないもの。それはたった一つ。SNSであれば仲間との楽しい体験、動画やサイトであれば有益な情報。つまりそれらまとめて「有益なコンテンツ」と言えると思います。

著者・編集者情報

藤江信之 (マーケティング室)

京都出身。

大学卒業後、税理士向け商社で営業マンを経験したのち、2000年代前半より広告代理店や、WEB制作会社等で主にクリエイターとして従事。
大手エネルギー会社や、大手小売店、某市地下鉄などのWEBサイトやプロジェクトに関わる傍ら、2010年頃まで、都内のWEBデザインスクールで非常勤の講師を務める。

その後クライアントワークから、自社の広報マーケティングにキャリアチェンジ。
上場IT企業のマーケティング部門立ち上げに中心メンバーとして関わり、ウェビナーや展示会の運営などを通じリード創出を行う。

人材サービス会社を経て、2023年6月ネクストソリューションズに入社。
“提案サイド”と“担当者サイド”両方を経験した知見を活かし、マーケティング室の立ち上げ中。

趣味は市民ランナー&高校野球観戦&古城跡散策のマニア。

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