2023.10.31

WEB業界

今さら聞けない「商用利用」って何?

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インターネットで色々調べていると、時々このフレーズを見かけませんか?

「商用利用」

なんとなく分かったような、分からないようなものだと思いませんか?
今回は今さら聞けない「一般的な商用利用」の意味を解説します。

目次

商用利用には2種類ある

よくIT業界でも使用されている「商用利用」ですが、大きく2つに分けることができますので、まずそちらを解説します。
それは次の2つです。

  • 有償のこと
  • 二次販売すること

ではそれぞれを解説していきたいと思います。

有償のこと

例えばCMS(CMSについてはこちらのコラムも是非ご覧ください)などでよく「商用CMS」と銘打たれているものがありますが、これはシンプルに「CMSそのものは有償ですよ」という意味です。

穿った表現をさせていただきますが、メーカーとしては「有償のCMSです」という表現よりも、「企業が使うなら商用利用版の方が良いですよ」という方がニュアンス的に良いので、有償CMSとは言わず、商用CMSと呼ぶメーカーがほぼ十中八九だと思います。
ECパッケージ等も同様ですね。

メーカーとしてはそういう営業戦略があると思いますが、実際は「営利目的の企業WEBサイト」でも無償のCMS(例えばWordPress等)は多く利用されていますし、企業のWEBサイトは有償のものでないと、何かデメリットがあるわけではないことも付け加えておきたいと思います。

二次販売すること

皆様に押さえていただきたいのは、こちらの「商用利用」ですね。
例えば写真やイラスト、フォント等の「フリー素材」です。「商用利用可」あるいは「NG」と記載されているものをよく見かけられると思います。

この場合の「商用利用」は先ほどのCMSや、ECパッケージと全く意味合いが異なり、「無償でも商用利用可」であったり、「有償でも商用利用NG」だったりします。
これはどいういう意味かと言えば、「写真やイラスト、フォントを使った制作物を販売したり、営利目的のWEBサイト(通常、一般的なコーポレートサイト含む)などの素材に使って良いですよ」という意味が多いです。

様々な媒体で見かけることが多い、大人気フリー素材サイト「いらすとや」の利用規約には次のように記載されています。

商用利用をすることができますか?
書籍・チラシ・パンフレット・ウェブ・テレビ・パッケージ・電子書籍・動画・ソフトウェア・パワーポイントでのプレゼン・卒業アルバム・名刺など、媒体を問わず1つの制作物につき20点(重複はまとめて1点)まで商用利用をすることができます。

ただしイラスト自体をコンテンツにせず、あくまでデザインの一部としてお使い下さい。素材配布目的の雑誌やサイトなどで、イラストをそのまま二次配布したり、販売することはできません。またイラストやテンプレートをそのまま商品として配布・販売することもできません。画像編集アプリの素材として収録することもできません。

このサイトを紹介していただくときに、作品例として2~3点プレビューを掲載されるのは問題ありません。

※商用利用については点数制限があります。

「いらすとや」ではプレゼン資料などで遣ってもよいけど、1つの資料で遣ってよいイラストは最大20点と決めておられるので、そこだけ注意すれば自由に使えます。

ただし気を付けないといけないのは「イラスト自体をコンテンツにせず、あくまでデザインの一部としてお使い下さい」と、「イラストをそのまま二次配布したり、販売することはできません。またイラストやテンプレートをそのまま商品として配布・販売することもできません。」この2点です。

日本語の意味そのままになりますが、要するに「資料の挿絵として使うならOKだけど、いらすとやのキャラクターが主役になるような使い方はNG」ということと、「イラストをそのまま二次販売はしてはダメですよ」ということですね。

20点というのは「いらすとや」オリジナルですが、ほぼどのサービスでも「商用利用可」とされている場合、これにほぼ近しい内容が多いです。

明確でない場合は運営者に確認

商用利用可とされているけれど、利用規約などが複雑な場合、運営者に確認することが望ましいです。
この場合、素材の保持者は、必ずしも法人ではありません。実は私もいくつかそういった「素材」を持っていて(素材サイト系ではありません)、テレビ番組や書籍に提供させて頂いた経験がありますが、それは「個人サイト」として持っていたものです。

ですがテレビ局も、出版社も個人相手にきちんと「これをどの番組、書籍で使いたいので譲って頂けませんか?その際の条件を指示してください」と連絡を取っていただきました。
皆様も「これ使いたいなぁ…だけど明確に商用化か否か明記していない」という場合は。個人サイトでもきちんと連絡を取って確認をするようにしましょう。

いかがでしょうか「商用利用」というフレーズ。

まとめになりますが、「単に有償のものを商用利用版と呼んでいる」場合と「写真等の素材で、営利目的で使ってよいかNGか」という全く異なる2つの「商用利用」があることをしっかりと押さえておいていただき、特に後者の方は無断で利用するとトラブルにつながる可能性があるので、注意をして利用するようにしていただければと思います。

著者・編集者情報

藤江信之 (マーケティング室)

京都出身。

大学卒業後、税理士向け商社で営業マンを経験したのち、2000年代前半より広告代理店や、WEB制作会社等で主にクリエイターとして従事。
大手エネルギー会社や、大手小売店、某市地下鉄などのWEBサイトやプロジェクトに関わる傍ら、2010年頃まで、都内のWEBデザインスクールで非常勤の講師を務める。

その後クライアントワークから、自社の広報マーケティングにキャリアチェンジ。
上場IT企業のマーケティング部門立ち上げに中心メンバーとして関わり、ウェビナーや展示会の運営などを通じリード創出を行う。

人材サービス会社を経て、2023年6月ネクストソリューションズに入社。
“提案サイド”と“担当者サイド”両方を経験した知見を活かし、マーケティング室の立ち上げ中。

趣味は市民ランナー&高校野球観戦&古城跡散策のマニア。

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