2023.11.02

WEB業界

WEBサイトの制作期間、本当はどれぐらい必要?

  • WEBサイト

年末や、多くの企業様で年度末となる3月末が近づくと、WEBサイトのリニューアルや、一部改修などのお話が増えてきます。

この記事を読んで頂いている皆様の会社でも、少し検討をされているかもしれません。
ということで、今回はWEBサイト、本当は制作期間ってどれぐらい必要なのか?

何に時間を要してしまうのか?元WEBデザイナーとして実態をお話したいと思います。

目次

信頼して頂くために私の経歴をお話しします

大体、このテの記事って制作会社の営業に終始しますよね?それでは皆様も最後まで読んでみようという気持ちも萎えてしまうと思うので、記事への信憑性を上げるために、まずは私の経歴をお話ししておきます。

私は大学卒業後、2年間飛び込み営業含む、営業マンとして仕事をした後、2004年前後だと思いますがまだ黎明期と呼んでよい状態だった、WEB業界にデザイナーとして飛び込んできました。
大学は文系の学部だったのですが、元々、芝居や音楽活動に熱心で、大学卒業後も夜間でデザイン専門学校でデザインの基礎は学んでいました。

今でこそ「WEB業界」なんて言葉がありますが、当時は広く「ベンチャー業界」という括りだったと思います。
会社の制度もほとんどの会社で未整備、まぁ、社長も社員もみんな20代か30代前半のような若い業界だったので、かなり無茶をしながら制作をしていました(汗)

当時はネクストソリューションズでなく、全く違う制作会社にいましたので、そこでの制作実績は名前をあげることができませんが、皆様も恐らくご存知であろう商業施設のサイトや、エネルギー会社のサイトなど、規模の大小問わず様々なサイト制作に「実際の作業を行うメンバー」として関わってきました。

今だからこそ話しますが、本当に当時は何日か会社に泊まり込んだり、最前線で制作を行ってきました。

そして今は、恐らくコラムを読んで頂いている多くの皆様と同じだと思いますが、自社のWEBサイトの担当者としてPRやマーケティングに携わっています。

魔法の言葉「なる早」について

今も昔もあまり変わらないのは、オーダーされる側の魔法の言葉「簡単なもので良いのでなる早で」。

これ営業担当の方であれば「わかりました!なる早で弊社であれば対応可能です!」と仰るかもしれませんが、気を付けていただきたいのは、他社批判はしたくありませんが、これを言ってしまう営業の方は、失礼ですが制作工程を何も知らない方でしょう。

制作現場を経験した方であれば、こんな対応はまずしません。

まず「なる早」か否か。例えば1週間(5営業日)で1枚物のページをアップして欲しいといった場合、現実的には次のスケジュールで動くことになるでしょう。
少しでもズレた場合、納期の後ろ倒しをNGと仰る場合、現実的には制作会社のクリエイターに徹夜、休日出勤を強要するのと同じ状態なのは事実です。

恐らくこんなこと、他の制作会社の営業の方は、誰も言わないと思うのでこのコラムでは赤裸々にお話しします。
では「なる早1週間」のスケジュール案をご紹介します。

  • 月曜日:9時から作業スタート、当日18時までにデザイン案を制作し、確認を依頼
  • 火曜日:お客様サイドにてデザイン案の確認を12時までに終了、戻しを行い当日中に修正の依頼
  • 水曜日:お客様サイドで改めて届いたデザイン案の確認を12時までに終了、OKの連絡を行い、次の工程へ
  • 木曜日:昨日13時から続くコーディング作業で、夕方メドに再度お客様にテストアップされたデータ確認を依頼
  • 金曜日:テストアップされたデータを確認、文字化けなどの致命的エラーがないか確認して、問題なければ本番公開

この通りに進めばなんとか可能ですが、例えば火曜日のデザインチェック。そして制作会社への戻しという「お客様作業」が遅れてしまった場合、当然作業時間が削られます。そこで納品をズラすことはNGとなれば、遅れた時間分、実際にはクリエイターが深夜作業を行わざるをえないという構造です。

つまり何が言いたいかと言えば、1週間で1枚モノのページを公開まで行いたい場合、制作会社も他の仕事をストップして、その作業に集中しますが、お客様側も他の仕事より、この案件を全ての業務で最優先にして動いて貰わなければ進まないということです。

これが最大のネックになるんですよね。

制作会社の「遅れ」は許さないけれども、お客様側は遅れてもやむ無し…そしてその遅れ分も制作会社がなんとかしろ…という姿勢でいると、当然破綻してしまいますし、往々にして「このテのオーダー」は大抵トラブル続きになるのが、実際にデザイナーとして関わってきた経験からお伝えできることです。

適正なスケジュールとは

では「適正な制作期間とは?」ですが、次の目線が必要かと思います。

  • トップページのデザインに2~3日(制作会社内での複数名チェックも行う)
  • お客様側での決定フロー(現場はOKでも社長確認が時間がかかる、或いは必ず一度はNGを出す傾向がある等)
  • 修正が何回必要か

まず、一番最初の「トップページのデザイン案を出す」という工程は3日ほどでお出しできると思います。
(デザイン案の数や、スマホも全て出して欲しいなどのボリュームで後ろ倒し発生)

問題はこの後ですね。今は、私は皆様と同じ「WEB担当者」です。

現実として決裁権限などあっても、ほとんどの会社であれば社長確認などの時間が発生し、会社によっては必ずここで大幅にやり直しを求める…ということが発生しますよね…。
私も、かつての職場で展示会用のクリエイティブで、今日中に印刷会社に連絡しなければならないのに、大筋には全く影響しない「言葉尻」で二転三転するなんて経験もしています。

ですから、両者の気持ち、立場が分かりますが現実的には、この「お客様側での確認作業」に、どれだけの日数が必要になるか、バッファ(余裕)を持って、あらかじめスケジュールに組み込んでおいた方が良いです。

逆に自社なので、この確認フローにどれ程の時間がかかるのかは分かっているはずなので、そこから逆算して「いつまでに制作会社を決めればよいか」「いつからプロジェクトをスタートさせれば良いか」を決めておく必要があります。

制作における一般的な作業工数

「分かった、では自社の確認フローなどを前もって見積もって、全体のスケジュールを作るけど、制作会社の方は、実際各作業にどれぐらい時間がかかるの?」

「徹夜してとか、終電までとか、土日も…とかでなく、普通の労働時間内で納める前提での工数が知りたい」となられるかなと思います。
求められるWEBサイトの技術によっても左右されますが、一般的に、他の仕事をせず、これだけに集中できるとすれば下記のような感じになると思います。

  • トップページのデザインに2~3日
  • トップに合わせて他ページのテンプレート作成、1枚あたり1~2日
  • コーディング(HTML化)、単純なものならテンプレートあたり1~2日
  • WordPressをサーバに入れるだけなら1日以内

ザックリ言えばこのような感じでしょうか。

内容によってはもう少し必要かもしれませんが。制作会社にお願いしたいページ数がどれだけあるのか、自社で分担できるものはどれだけあるのか。
一度そのあたりを棚卸ししていただき、そこから「大体〇か月くらいかな、ではこれをベースに制作会社に相談してみよう」という流れが、一番建設的でトラブル防止に繋がっていくと思います。

まぁ一般的には、いわゆるコーポレートサイト(会社概要や事業内容、採用情報など一式が入ったサイト)であれば、規模にも左右されますが「3か月から半年」と見ておかれると、良いかなと思います。

著者・編集者情報

藤江信之 (マーケティング室)

京都出身。

大学卒業後、税理士向け商社で営業マンを経験したのち、2000年代前半より広告代理店や、WEB制作会社等で主にクリエイターとして従事。
大手エネルギー会社や、大手小売店、某市地下鉄などのWEBサイトやプロジェクトに関わる傍ら、2010年頃まで、都内のWEBデザインスクールで非常勤の講師を務める。

その後クライアントワークから、自社の広報マーケティングにキャリアチェンジ。
上場IT企業のマーケティング部門立ち上げに中心メンバーとして関わり、ウェビナーや展示会の運営などを通じリード創出を行う。

人材サービス会社を経て、2023年6月ネクストソリューションズに入社。
“提案サイド”と“担当者サイド”両方を経験した知見を活かし、マーケティング室の立ち上げ中。

趣味は市民ランナー&高校野球観戦&古城跡散策のマニア。

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