2023.11.21

ITトレンド

WEBサイトだって「みんなちがって、みんないい」

  • WEBサイト

インターネットでなんでも情報が入手できる時代。

腕を組んだコンサルタントを名乗る方が、「WEBサイトはこれからはこうあるべき」みたいに語ると「そうなのか...」なんて思ったりしませんか?
今回は、WEBサイトだって「みんな違っていいんだよ」ということをお伝えし、溢れる情報に惑わされないための一助になれば幸いです。

目次

WEBサイトは本当に成長したのか?

私がWEB制作を始めたのは2003年前後だったと思います。ある通販会社のEC事業部でアシスタントのデザイナーとして、家電ページ、食品ページ、レディースインナーページの3つを担当したのが初めです。

当時からもちろん変わったこともあります。その会社は当時東証一部に上場している会社で、所属してた事業部も相当な大所帯でした。
そんな規模のWEBサイトでも、いわゆるCMSというのは入っておらず、手作業で更新。

今でも覚えていますが季節ごとに、サイトの情報を入れ替える時は深夜にオフィスに集まり、実際に人の手で更新を行っていました。
しかし、当時すでにWordPressの初版が世の中的には存在しており、CMSという技術が無かったわけではありません。CMS元年(2010年前後)などと呼ばれるのはもう少し後ですが、すでに存在はしていました。

他も同様です。WEB2.0は確かに大きな変革ですし、それを機にSNSなど生まれたサービスは画期的なものでした。
ですが、冷静に考えてみたいのです。

「コーポレートサイトは果たして20年前と比べて変わったのか?」

会社概要に製品一覧、採用情報

相変わらずコーポレートサイトは、会社概要、社長の言葉、企業理念。
企業理念はMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)等と進化したかもしれませんが、WEBサイトでの発信方法は何も変化していないのではないでしょうか?

製品にしたって、単にカタログのように一覧が並び「資料請求はこちら」が定番ですし、採用情報も「数字で見る〇〇」「社員のインタビュー」が並び、どこも大差はない状況ではないでしょうか?

冷静に考えれば20年前の「カタログサイト」と本質的には何も変わっていないのではと感じます。

WEBサイトが変わらない理由

じゃあ何故WEBサイトは本質的に変化しなかったのか?
その答えはユーザニーズにあると思います。要するにユーザ視点ではコーポレートサイトにそこまでのモノを求めなかったということでしょう。

スマホ全盛期だから…と言いますが、恐らくどこのコーポレートサイトも流入元はPCが今も主流。これは何を意味するかと言えば、業務時間中に会社のPCから閲覧しているということで、プライベートタイムに閲覧するものではないということです。

あと企業もWEBでの取り組みに「出来ない理由」ばかり並べていないでしょうか?
例えば、コラムやウェビナーなども「出来る人がいないから…」のように避けて、結果ホワイトペーパーなどを単に並べているだけという会社も少なくないはずです。

「他人を変えられないけど、自分は変えられる」とよく言います。

ユーザに見て頂けるWEBサイトにするためには、トレンドに左右されず自社のWEBサイトに「個性」を持たせることが重要だと思います。

IT・WEBコンサルタントの商法に乗らない

2003年前後からWEB制作を始めましたが、20年たって本当に進化しているのか?

当時私も議論に乗っていた「WEB3.0」は「ウェブスリー」と呼び方を変えただけ。セカンドライフのようなサービスが当時もありましたが、それを「メタバース」とひとくくりにして、本当の意味で真新しいものとは呼べないのではないでしょうか?

ユーザ目線で「これは凄い!ぜひ使ってみたい」と思えるものはほぼなく「なんとなく、コンサルとか言う人たちが、使わないと時代遅れだよ」なんて言うから、単に取り入れてみた…だけのような会社、少なくないのではないでしょうか?

2023年、最大のトレンドだった「ChatGPT」も同じく。サイト内検索に…等のセールストークの前に立ち止まってみませんか?

「そもそも自社のWEBサイトに、ユーザが検索して調べたくなる情報」はありますか?ないのであれば、「猫に小判」の状態にならないでしょうか?
斬新なサービスが誕生しないから、毎年のようにトレンド用語を生み出し、それを武器にセールストークを展開しているだけという「自称コンサル」を名乗る、営業マンの方も実際には少なくありません。

WEBサイトだって「みんなちがって、みんないい」

WEBサイトは各社まったく違って良いんです。もちろん、ファッションと同じで「見た目のトレンド」はあるので、10年前、20年前のデザインをそのまま使うのは、出来れば避けた方が良いとは思います。

なぜか?単に「古臭い会社だな」と第一印象を与えるのは得策ではありませんから。

ただ大量生産されたかのようなトレンドに乗る必要はないと思いますし、コンテンツもオリジナリティあるものを積極に発信するべきだと思います。
というか、コンテンツが先に触れた、「会社概要」「代表者のメッセージ」「製品一覧」「採用情報」「お知らせ」ほどしかないのであれば、知名度のある企業はまた事情が異なりますが、「普通」の企業の場合、ほぼユーザは「業務上の必要性がある」場合以外、恐らく訪問することはないでしょう。

であれば、AI検索やCMS、MAなど本当に必要でしょうか?

「他社と同じ」である必要はありません。もう一度自社のWEBサイト。本来どうあるべきか、本当は誰にみてもらって、どんな感情をもってもらいたいのか。
見つめ直してみてはいかがでしょうか?

著者・編集者情報

藤江信之 (マーケティング室)

京都出身。

大学卒業後、税理士向け商社で営業マンを経験したのち、2000年代前半より広告代理店や、WEB制作会社等で主にクリエイターとして従事。
大手エネルギー会社や、大手小売店、某市地下鉄などのWEBサイトやプロジェクトに関わる傍ら、2010年頃まで、都内のWEBデザインスクールで非常勤の講師を務める。

その後クライアントワークから、自社の広報マーケティングにキャリアチェンジ。
上場IT企業のマーケティング部門立ち上げに中心メンバーとして関わり、ウェビナーや展示会の運営などを通じリード創出を行う。

人材サービス会社を経て、2023年6月ネクストソリューションズに入社。
“提案サイド”と“担当者サイド”両方を経験した知見を活かし、マーケティング室の立ち上げ中。

趣味は市民ランナー&高校野球観戦&古城跡散策のマニア。

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