2024.01.31

WEB業界

WEBサイト版「2025年の崖」

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皆様「2025年の崖」という言葉は1度は聞かれたことがあると思います。
定年退職で、レガシーシステム(旧式のシステム)を開発していたエンジニアたちがいなくなるから、そのまま使っていると、直してもらうなども出来なくなりますよ。
結果、経済損失もすごいですよ。

というものですが、これってWEBサイトにも同様のことが既に言えるなと思ったので、お話させて頂きます。

目次

WEBにもレガシーサイトが存在する

レガシーシステムのように、レガシーサイトと名前をつけさせていただきますが、WEBサイトにも古い技術で作られているサイトが今も存在しています。
いくつか下記に紹介してみます(他にもあるかもしれません…)

ちなみにここで紹介するレガシーサイトは、2000年前半に作られた、今はもう使われていない「前時代的技術を用いたWEBサイト」と定義します。

  • Flashを使っている
  • Tableレイアウト
  • CGIを使っている

Flash

Flashの詳細については『今更ですが…「Flash」まだ使ってませんか?』を是非ご覧ください。
ここでは簡単に説明しますが、2000年代前半、WEB業界を席巻した技術で、多くのWEBサイトにも使われました。
ですが現在、使っていると下記のように、コンテンツを全く見ることができません。

Tableレイアウト

2000年代序盤ですね。本当に初期の初期、WEBサイトを作る際、Tableレイアウトと呼ばれる手法が多く使われました。
Tableレイアウトは「表組」なのですが、それをグリッド線などを全て非表示にしてしまい、さらに透過gifと呼ばれる、透明の画像を「つっかえ棒」のようにレイアウトを整える手法でした。

CGI

これも初期の頃のWEBサイトではよく使われた技術です。Perlと呼ばれる言語で主に構成され、問い合わせフォームや、また当時は「BBS」なんていう掲示板を設置することも流行りましたので、色々なWEBサイトで活用されていました。

WEBサイト版「2025年の崖」

そもそもWEB業界って、阪神淡路大震災の頃に一気に当時の若者たちが立ち上げた業界なので、まだ「上の世代」も他業界に比べると若いです。
著名な方で言えば、ホリエモンこと堀江貴文さんや、ひろゆきこと西村博之さん。いわゆる団塊ジュニア世代で、歳でいえば40代半ば~50代半ばあたりですね。なので、まだまだ引退世代ではないのですが、実はもうすでに「2025年の崖」になっていると思います。

それは先にお伝えしたような、Flash、その中で使われたActionScriptというプログラム言語。Tableレイアウトや、CGIの掲示板など、30代のクリエイターの皆様は恐らくご存知ないと思います。

私自身、団塊ジュニア世代の元デザイナーで、ここで紹介した技術は昔、全て実際に制作していました(指示役でなく、実際に手を動かしていました)。しかし今は「クリエイター」は完全に引退しています。もちろん「昔取った杵柄」で、PhotoShopを使ってちょっとしたバナー等を作ったり、HTMLやCSS等多少はPHPなどというプログラム言語も読んだり書いたりは出来ますが、もう何年もまともに制作をしていません。

そしてこの「制作業界」はずっと現役でクリエイターを続ける方よりも、キャリアチェンジをされる方の方が多いのです。要するに私と同じような「元クリエイター」は沢山います。

そして同様に、当時のレガシーサイトを作る技術は既に忘れています。その技術はもう今は使われることはほぼ無いので、誰も情報を発信していません。ということは、すでにレガシーサイトを直して欲しいと依頼があっても、ほとんどのクリエイターは対応ができないということなのです。

レガシーサイトのもう2つのデメリット

レガシーサイトはもう直してくれるクリエイターが劇少とお伝えしましたが、もう2つデメリットがあります。
それは次の2つです。

  • SEOやアクセシビリティ等
  • ブランディング

SEOやアクセシビリティ等

まずSEO。初期の初期は隠し文字隠しリンクなんてものがありました。白背景で文字も白くして見えなくするという手法です。私自身、誰かに教わった記憶があります。
ですが、これ今ではスパム行為になります。

アクセシビリティも当時から概念はありましたが、そもそもTableレイアウトだと音声ブラウザ対策がほぼ「ザル」なんですよね。つまり、レガシーサイトには他にも色々「古い」そして、今では「使ってはいけない」とされるものも含まれている可能性があります。

ブランディング

私は大学生の頃、茶髪でロン毛でした。「えっ…」って思われた方。それが流行ったんですよ。みんなキムタクこと木村拓哉さんを真似したものです。女性もそうですね。眉毛を細くする等、アムラーファッションと呼ばれるファッションが大流行しました。

これとWEBサイト、どう関係するのかですが、大アリなんです。ファッションも20年も経てば古くなります。WEBサイトも同じです。シンプルに古いんです。
古いデザインをそのまま使っていればいかがでしょうか?

後ろ指さされますよね?同じです。特に新卒の学生さん等に見せたいのであれば、せめてデザインは新しくしておかないと古い文化の会社なんて思われる可能性もあります。

レガシーサイトにはメリットは皆無

ではちなみに、レガシーサイトにはメリットがないのかと質問されれば、「皆無です」としか言いようがありません。
俳優の阿部寛さんの公式サイトレガシーサイトで、話題になりましたが、まぁ企業では話題にならなかったと思います。

これは阿部寛さんのキャラクター、そして昔ファンが作ったWEBサイトを受け継いで「公式サイト」にしたというストーリー性があって、陽の目を見ていますが、特例中の特例です。

改めてデメリットの理由をまとめます。

  • 古くて直してくれるクリエイターがほとんどいない
  • 昔は許されていたけど、今ではルール違反とされる技術が用いられている可能性
  • シンプルにブランディング上マイナス効果

普段はあまり、リニューアルした方がいいですよ!など宣伝ぽくなるストーリーは避けているんですが、この件に関してはもうやむを得ないです。
「レガシーサイトは一刻も早くリニューアルされることをオススメします!」

著者・編集者情報

藤江信之 (マーケティング室)

京都出身。

大学卒業後、税理士向け商社で営業マンを経験したのち、2000年代前半より広告代理店や、WEB制作会社等で主にクリエイターとして従事。
大手エネルギー会社や、大手小売店、某市地下鉄などのWEBサイトやプロジェクトに関わる傍ら、2010年頃まで、都内のWEBデザインスクールで非常勤の講師を務める。

その後クライアントワークから、自社の広報マーケティングにキャリアチェンジ。
上場IT企業のマーケティング部門立ち上げに中心メンバーとして関わり、ウェビナーや展示会の運営などを通じリード創出を行う。

人材サービス会社を経て、2023年6月ネクストソリューションズに入社。
“提案サイド”と“担当者サイド”両方を経験した知見を活かし、マーケティング室の立ち上げ中。

趣味は市民ランナー&高校野球観戦&古城跡散策のマニア。

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