2024.02.16

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WEBで情報収集しない顧客層へのアプローチ方法

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2015年前後の実体験ですが、ある広告代理店で関西にある美容室のWEBサイト制作を担当させて頂いていました。
その時の会話で、とても印象的な言葉があります。

「私は確かに年齢は若いですけど、WEBを積極的に使っていませんよ」

との言葉。確かにWEBを使わない仕事も多くありそうですが、ではそういった方とどうやって接点を作っていくべきなのかを考えてみたいと思います。

目次

WEBは万能ではない

総務省の「令和4年通信利用動向調査報告書」によると従業員100人以上の規模の会社だと約90%がWEBサイトを開設しているようです。

この従業員100人と言う規模、実際のところ「そこそこ大きな会社」と言えますよね。大企業、中小企業という大別をすると中小企業なのですが、上場している会社も実際少なくありません。
同じく総務省の「我が国の事業所・企業の経済活動の状況」によると、日本国内には約368万の会社があるようです。

従業員規模で20人以下を小規模事業者とするようですが、中小企業庁によると2015年の「小規模企業白書」ではありますが、約368万ある会社の約9割が小規模事業者にあたるそうです。

つまり、日本の会社の約9割がWEBサイトを開設しているというのは、一部の規模の大きな会社であって、大多数の小規模事業者に限れば、明確なデータは存在していませんが、多くの方が推測される通り約半数程度と見るのが実態だと思います。

先に紹介した美容室や、また私が2000年初期に所属していた、税理士事務所向けの営業会社。この税理士事務所もまだまだWEBサイトがない事務所も少なくありません。

今この時代でもWEBは万能ではないのは事実なのです。

WEBを使わない仕事はある

先に紹介した美容師の方は、接客。そして終業後はカットの練習などもあり、全くのアナログな世界だと仰っていました。終わった後にスマホからWEBに触れる気持ちにもならないと仰ってましたが、それは珍しいことでは決してないでしょう。

私も学生時代は飲食や、アパレルの店舗で接客のアルバイトを経験しましたが、接客業ってそもそもWEBに触れないんですよね。
今なら多少はWEBからの予約などもあると言え、ジッとPCと睨めっこが出来る店舗は多くないでしょう。

ではこういった業界の方と出会いたい企業は、どんな集客・広告を行えばよいのでしょうか?
リスティング広告などのWEBマーケティングだけでは限界がありそうです。

アナログな広告手法も要件等

そこで登場する広告の代表格は、紙のチラシをポスティングで配布FAXDMこのあたりでしょうか。
もちろんリアルな展示会も有効な手法ですが、予算や体制上の問題で全ての会社が取り組めるとは思えません。

ポスティングについては、弊社も多く投函されています。過去に所属した会社含めて個人的には、きちんと開封して中身を確認したことはほぼ皆無です。
そのままシュレッダー行きですが、しかしこれも立派な手段でしょう。「捨てられる」のは新規営業である以上、どんな手法を用いても成功率は少ないわけですし。

FAXDMもこの時代でも有効であるのは事実でしょう。ですがこちらは少しクレーム対策も必要だと思います。
私自身、税理士事務所向けに営業を行っていた頃、当時の会社が税理士事務所に一斉にFAXDMを配信していたのですが、運悪く(?)私が営業活動中にFAXDMが届くと、まず多くの方にプチクレームを頂きました。

FAXの場合性格的に、お客様にトナー消費などの負荷を与えてしまっているので、単なる投函と比べてクレーム率は上がってしまいます。
しかし、一方でFAXDMを見て「これ欲しい」と目の前でオーダーして頂いた経験もあるので、全く効果がないとも言えないでしょう。

自社の顧客になる層がどこにいるか調査

当たり前すぎる話をしますが、大切なことは皆様の顧客はどこにいるのかをまずは調査しましょう。
これに関しては、一般の方を対象にしたアンケートサービスなども様々あるので、リサーチする価値は十分にあります。

その結果、仮に皆様の顧客になる可能性のある方が、WEBではなく、未だにFAXで情報収集しているのであれば、リスティング広告なんていくら戦略を見直したところで結果は変わりません。
クレーム処理が入ったとしても、FAXDMの方が有効な手段になるでしょう。

私が営業マンをしていた頃の税理士業界がまさにそうであったように。

ちなみに弊社の場合だと、WEBサイトの制作を依頼頂きたいわけなので、さすがにWEBを使わない。WEBなんてどうでも良い…。
という価値観、このコラムも絶対に読んで頂けない方はターゲットになりえないので、基本はWEBマーケティングで皆様との出会いの機会を創出しています。

具体的にはセミナーやホワイトペーパーですね。その内容も興味関心レベルでも、まずはネクストソリューションズを知っていただきたいので、セールス色の全くないノウハウだけをお話するようなセミナーも多く配信し、広くファン作りに励んでいます。

WEB外の顧客層へのアプローチは泥臭くて仕方ない

私も飛び込み営業経験者なのでとてもよく分かるのですが、「される側」って迷惑だと思います。特に税理士事務所って実質「家庭訪問」になるので、露骨に拒否されることも少なくありませんでした。

ですが、実際のところ「待っていたら」いつか自社が振り向かれるかと言えば違うわけですよね。

WEB制作会社様が「SEO対策すれば自社を知って頂ける!」等と書いておられるコラムも拝見していますが、今回のテーマだと前提条件がそもそも崩れているわけです。インターネットで情報収集しない人に、どうやってアプローチするのかなので。そもそもコラムを読んで頂けないわけですから。

「そんなお客様、今時もうない!」というのは少し、社会勉強不足でしょう。私は人材サービス業界でマーケティングを担当したこともありますが、そこの求人企業のターゲットはいわゆるハローワーク利用企業。登録いただきたい個人の属性は現場職。それもどちらかと言えば不人気といわれる、警備や土木作業などの方です。

この方々がハイクラス転職のように、スマートにスカウトサービスを待つかと言えば違うわけです。ですので、当時の会社はやりませんでしたが、ハローワークの施設外(主に道路)で保険会社の採用活動が常套化しているように、合法的な範囲での方法も実際検討はしてみました。

飛び込み営業にしても、先に紹介したFAXDMにしても、例えば街中での勧誘活動(迷惑防止条例が適用されている地域は除くなど、法を順守することを大前提の上で)も泥臭いですが、有効な手段だと思います。

課題は自社社員のフォロー体制

きれいごとを言ったところで、世の中の全ての会社が「東京丸の内のオシャレなオフィスビル」で仕事ができるわけではありませんよね。

冒頭も触れたとおり、日本の大多数の会社は小規模事業者です。そういった会社に、泥臭くアプローチをしなければならない会社は、どうしても営業マンを含め、社員がストレスを感じやすい環境であるのは事実。
私も税理士事務所向け営業をしていた当時、西日本営業部という組織に配属された同期の営業マン。数年でほぼ全員が退職してしまっていました(私も2年で退職)。

その会社はいわゆるブラック企業では全くありません(ホワイト…でもありませんが笑)。

どうしてもこの手の「体育会系営業会社」になりがちな性格の会社は、離職率が高くなるのは必定といえ、結果として顧客へのサービス低下につながることも否めません。
常に新人が、その泥臭い最前線での営業を担当することになるので、シンプルに自社のサービス・商品知識も浅いですからね。

ですので、長く最前線で営業活動を行う社員に働いて頂けるフォロー体制を作ることが、実際かなり重要になってくるはずです。
それは必ずしも給与だけの話ではありません。

最前線で「泥臭く」営業を行う社員がその会社をいつまでも誇りに思えるような、従業員エンゲージメント向上も併せて検討されてみてはいかがでしょうか?

著者・編集者情報

藤江信之 (マーケティング室)

京都出身。

大学卒業後、税理士向け商社で営業マンを経験したのち、2000年代前半より広告代理店や、WEB制作会社等で主にクリエイターとして従事。
大手エネルギー会社や、大手小売店、某市地下鉄などのWEBサイトやプロジェクトに関わる傍ら、2010年頃まで、都内のWEBデザインスクールで非常勤の講師を務める。

その後クライアントワークから、自社の広報マーケティングにキャリアチェンジ。
上場IT企業のマーケティング部門立ち上げに中心メンバーとして関わり、ウェビナーや展示会の運営などを通じリード創出を行う。

人材サービス会社を経て、2023年6月ネクストソリューションズに入社。
“提案サイド”と“担当者サイド”両方を経験した知見を活かし、マーケティング室の立ち上げ中。

趣味は市民ランナー&高校野球観戦&古城跡散策のマニア。

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