2023.10.04

マーケティング

CMSの「一番良い」選び方

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たまにCMSメーカー様の広告記事などを拝見していると、「CMSを入れ替えた効果で、CVが上がった」などマーケテイング効果をうたわれているものも少なくありません。

果たしてCMSを変えただけで、マーケテイング効果を得られるものか?

実際にWordPressなどのオープンソースでいくつものWEBサイトに、クリエイターとして関わってきた経験と、CMSメーカーのマーケティング部門も担当した、両方の経験から忖度のないアドバイスをさせていただければと思います。

目次

CMSは単なるツールにしかすぎない

まずCMSとは「ContentsManagement System」の頭文字3つを略したもの。

日本語に直訳すれば、コンテンツの管理システムです。

ここでいうコンテンツは単にコラム記事等だけではありません。本来WEBサイトは、裏側で膨大なコンテンツ(情報)が組み合わさって構成されています。
ベースになるHTML(PHPなども含む)、デザインを制御するためのCSS、動きを演出するJavaScriptや、多くの画像ファイル等です。

これらを管理していくのが相当数大変で、本来WEBサイトを更新するためには、ファイルを書けるスキルも必要ですし、さらにサーバのディレクトリ(フォルダのこと)階層など専門スキルが必要になりますが、CMSを使うことで、これらのスキルをショートカットできます。

そのため、現場のご担当者様でも「簡単にWEBサイトが更新できるシステム」として紹介されることが多いわけです。

そして最初に結論を言いますが、CMSとは商用であっても、WordPressであっても、「WEBサイトを専門スキルなく更新できるための道具」、以上でも以下でもありません。
つまり道具を入れただけで、打ち出の小槌のようにマーケテイング効果が現れるなんてことは物理的にありません。

道具は使ってナンボ

例えばWordPressから商用CMSに変えたところで、マーケテイング上は何の差も生まれません。
実際、私は10年以上ある趣味サイトを個人で運営しています。比較的黎明期から運営しているいため、それなりに限られた世界では名前も知っていただいており、TV番組や書籍などでも紹介頂いています。

おかげ様でWordPressで制作しているサイトですが、私が所属していた某CMSメーカーのコーポレートサイトと個人サイトの私のサイトは、ほぼ訪問者数、差がありません。

ですので、CMSによって訪問者が増えるなどの魔法はまずありません。
それより大切なのは、その道具(CMS)を使いこなすことです。

WEBサイトを訪問者として閲覧する場合、「このCMSはどこのCMSだろう、商用CMSのWEBサイトを優先的に見たいなぁ…」等と思っておられる方は恐らく皆無でしょう。

ほとんどの方は「面白い(有益な)情報が大量にあるWEBサイト」に自然と集まってこられるのは明白ですよね。

つまり道具がどうこうではなく、そのCMSを使わなければ何も始まりません。
CMSで効果が上がったと宣伝されていても、そのメーカーが素晴らしいという訳でなく、その道具を使いこなしているユーザ企業が素晴らしいということをしっかりと認識しないと、いざ導入してから「聞いてた話と全然違う」ということになるのは当然と言えば当然です。

本質的なCMSの選び方は使いやすいか否か

少し例え話をします。私は若い頃MT車の国産スポーツカーが好きで乗っていました。
ですのでMT車を運転することは特に苦ではありません。一方当時、営業マンをしていて、会社では荷物を積み込めるバンタイプのAT車を運転していました。

ですのでMT、AT両方問題ないのですが、最近は車を運転する機会も滅法減りました。本音、最近のAT車を運転するのは怖い気持ちがあります…。むしろ操作の仕方が分からないのです…。

私にとってはMT車の方が道具として扱いやすいのです。これがCMSも同様です。

「見たまま、直感的な操作感」
これほとんどの商用CMSメーカー様が謳います。私は冒頭で触れたあるメーカーのマーケティングを担当していましたが、実はそれ以前にも商用CMSメーカーにディレクターとして関わっていたことがあります。

2社は全く別の会社ですが、両社「見たまま、直感的な操作感」を謳っています。
そして他のメーカー様も多分に漏れず、このコピーは使っていらっしゃいます。

が、本質は先のMT車と最新のAT車なのです。所詮は道具にすぎないので「自分にとって扱いやすい道具が一番良い道具」なのです。

営業のデモは営業用にしかすぎない(当たり前ですが、マイナスに捉えられることを営業デモで紹介することはありません)ので、商用でもWordPressでも可能であれば導入前に、自社の更新担当者様が自ら操作してみて、「これならイヤにならずに使えそう」と思ったものを選ぶことをオススメしたいと思います。

商用CMSのメリット

私も元商用CMSメーカー出身なので、忖度なくWordPressに比べて商用CMSが勝っていることを2つ挙げたいと思います。

  • ツールのサポート体制がある
  • セキュリティがゼロリスクではないが、WordPressよりは高い

この2つが挙げられます。まずWordPressはオープンソースでメーカーという概念がほぼありません。
ですので、道具の使い方をメーカー保証してくれません。
それは実際にWEBサイトを制作したWEB制作会社が、独自に保守サービスを作って対応することになります。

一方で商用CMSはそれが仕事なので、自社で開発したCMSの使い方をしっかりとサポートしてくれます。
ただ期待してはいけないのは、例えばウェビナーをやろう。
等と思って、それを更新するためにCMSを入れた場合。メーカーが教えてくれるのはCMSの使い方であって、具体的なウェビナーの運営の仕方や、企画などを教えてくれるわけではありません(別途サービスでそのようなマーケテイングサービスがあれば、そのようなメニューもあるかもしれません)。

そしてセキュリティ。WordPressもセキュリティレベルを上げることは十分可能です。
WordPressのWEBサイト改ざん「基本のき」』等、弊社でもウェビナーでWordPressの情報を発信していますので、ぜひ関心ある方はご覧ください(リンク先のセミナーは、アーカイブ配信なので24時間お好きな時間に閲覧頂けます)。

但しこれもメーカー保証ではないので、各WEBサイトを制作された会社様のスキルに任せることになります。
ですので、あまりセキュリティ対策などに詳しくない会社が制作されると、かなりセキュリティリスクが上がってしまっているのが事実。
商用の場合、ここが専門領域なので、自社で大抵の場合サーバ周りから面倒を見て頂けるので、一定水準以上のセキュリティレベルを担保されています(無料ではなく最初から、それ込みの料金設定になっていることが多いです)。

結論CMSで選ぶのではなく提案力で決めるのがベスト

例えば公共団体様のように、上部組織が「WordPressは使ってはいけません」とお触れがだされた場合、多くの団体様はそれに従う他ないですよね?

この場合は、WordPressでもセキュリティレベルは向上させられますが、もはや違うレイヤーなので商用CMSありきで選択するしかないと思います。

ただそうでない場合、まず最低限RFPで、かなえて欲しいセキュリティレベルを明記しましょう。BCP対策などで有事のWEBサイトを準備しておく必要があるや、そこまでは不要だが、最低限のWEBサイト改ざん対策をしたい等。
これで条件は同等レベルに引き上げていくことは不可能ではありません。

そして大事なのは提案力。所詮CMSはWEBサイトを更新するための道具です。更新するベースのページがありきたりな「お知らせ」などしかないのであれば、いくら操作性が優れていてもマーケテイング効果は出せません。

自社がどのようなビジネスで、どのようなマーケテイング効果を挙げたいのかをしっかりとRFPにまとめ、具体的な提案を出してくれる会社を選んだ方が良いです。

繰り返しますが、先のMT車とAT車の例えが全てなのです。「所詮は道具、その方にとって使いやすい道具が、その方にとって最高の道具」です。これは言ってみると、使っていれば自然に慣れていきます。
必然的にその道具が一番使いやすと感じるようになります。

だからこそ、CMSで制作会社を選ぶのではなく、そのCMSを使って更新を行うコンテンツの提案がベストなところを選ばれるのが、WEBサイト提案で最も重要です。

ちなみに、弊社ではオープンソースから、スクラッチ開発も対応させて頂いていますし、ご指定があればご指名の商用CMSも扱わせていただきますので、お気軽にご相談いただければと思います。

著者・編集者情報

藤江信之 (マーケティング室)

京都出身。

大学卒業後、税理士向け商社で営業マンを経験したのち、2000年代前半より広告代理店や、WEB制作会社等で主にクリエイターとして従事。
大手エネルギー会社や、大手小売店、某市地下鉄などのWEBサイトやプロジェクトに関わる傍ら、2010年頃まで、都内のWEBデザインスクールで非常勤の講師を務める。

その後クライアントワークから、自社の広報マーケティングにキャリアチェンジ。
上場IT企業のマーケティング部門立ち上げに中心メンバーとして関わり、ウェビナーや展示会の運営などを通じリード創出を行う。

人材サービス会社を経て、2023年6月ネクストソリューションズに入社。
“提案サイド”と“担当者サイド”両方を経験した知見を活かし、マーケティング室の立ち上げ中。

趣味は市民ランナー&高校野球観戦&古城跡散策のマニア。

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