2023.09.06

WEB業界

RFPとは何?その目的と要点

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RFP(Request for Proposal)という言葉をみなさまご存知でしょうか?

日本語に訳すと「提案依頼書」となりますが、WEBサイトやIT関係の発注を行う際、そのベンダー(業者)に対し「提案」を依頼することになりますが、「どんな依頼」をして欲しいか、内容をまとめたものです。

今回はRFPについての要点などを解説します。

目次

RFPとは?

改めてRFPですが「Request For Proposal」の略語で、日本語に訳すと「提案依頼書」となります。

例えばWEBサイトのリニューアルを行いたいとなったとき(※本記事ではWEBサイトリニューアルを前提に以後、解説を進めます)、制作会社などに発注を行うと思います。
知り合いのフリーランスにやってもらうから…という会社様であれば、不要とはいいませんが、性質的にこれまで通りのやり方で良いと思いますが、一方このコラムを読んで頂いている方は、複数社でコンペを行う必要があるなど、「単に制作会社に相談すれば終わり」とは考えておられず、インターネットで調べるとRFPなどの言葉もでてくるので、それについて詳しく知りたいという方だと思います。

以降でさらに詳しくお伝えしますが「RFPとは制作会社に提案して欲しい内容をまとめたもの」です。

なぜRFPが必要なのか?

例えば、今のWEBサイトのデザイン(見た目)だけ刷新したく、他はなにも不要というのであれば、RFPもなにも不要ですが、恐らくRPFについて情報を求めている方は、次のような課題やご要望があるのではないでしょうか(全てでなく1つだけでも可)?

  • 有効な問い合わせを増やすためのコンテンツを提案してほしい
  • CMSを導入したい
  • MAやSFAなどとデータ連携をさせたい
  • アクセスが集中することがあるのでサーバ冗長化をしたい

もちろん他にも多々あると思います。なんのために予算を組んでWEBサイトのリニューアルを行うのか、それは各社によって様々な事情があるはずです。

それを伝えず「とりあえずWEBサイトをリニューアルして欲しい」というオーダーは、例えれば飲食店に入って「なんか美味しいものが食べたい」というオーダーをしているのと等しい状況です。

どんなものが食べたいのか、お店に求めるサービス、どんなシーンで利用したいなどをまとめておかないと、それに適した飲食店を探すことは出来ないですし、適当に入ったお店で、いきなり自分にとって当たり前を押し付けるのも違いますよね?

WEBサイトリニューアルもこれと同じです。

RFPに記載すること

例えば今の飲食店の例えを続けます。
ここでは接待のお店を探しているとしましょう。その場合、次のような「要件」をまとめて、お店を探すのではないでしょうか?

  • 食べたい料理のジャンル
  • お店の雰囲気
  • 個室の有無
  • 参加人数
  • お店へのアクセス
  • 予算と支払い方法

これと同じ要領で、WEBサイトリニューアルのRFPをまとめていきます。一例として以下のようなものが考えられます。

  • WEBサイトをリニューアルする目的
  • CMSの有無
  • 求めているセキュリティレベル
  • 制作会社に求めたい体制
  • サーバやドメイン(URL)
  • 予算と支払い方法

このあたりの希望をRFPにまとめて、制作会社にそれぞれについての具体的な提案を新歓求める流れです。

RFPがないとき、RFPがあるとき

シンプルにRFPがないとき、先の接待で言えば、普段あったことのない先方の社長を接待すると仮定します。

恐らくその場合、牛丼チェーン店を選ぶことはないでしょうし、学生が普段使うような居酒屋チェーン店を選ぶなんてことはありませんよね?
しかし間違えてはいけないのは、牛丼チェーン店も、学生向けの居酒屋チェーン店も、利用シーンが接待でなければとても良い店ですよね?

「接待には相応しくない」だけなのです。

同じくWEBサイトリニューアルを行う制作会社も、様々なジャンルの会社があり、どこも素晴らしい会社が多いです。
ただ例えば下記のような選び方をしてしまうと、今のお店の例同様にミスマッチが起きてしまいます。

  • 写真撮影がメインなのに、セキュリティの専門会社を選んだ
  • 広告配信がメインなのに、CMSのメーカに依頼した
  • WordPress以外のCMSを依頼したいのに、WordPressが実績中心の制作会社を選んだ
  • 予算がないのに、著名大手制作会社に依頼した
  • 複数名でチームを組んでほしいのに、数名しか在籍していない小さな会社を選んだ
  • デザインが全てなのに、システム開発会社を選んだ

お店と同じく、カメラマンのプロダクションも、セキュリティ専門会社も、広告配信会社も、CMSのメーカも、WordPressで制作する会社も、著名大手制作会社も、少人数の組織も、デザイン事務所も、システム開発会社も、利用シーンさえマッチすれば、どこも全て素晴らしいパフォーマンスを発揮してくれます。

ただ敢えて不慣れな会社に発注をする必要はないですよね?
何が得意で、何が不慣れなのか、RFPがあれば発注側がコントロールができるのです。

RFP作成で重要なこと

正直、冊子としてのページ数や、見栄えはどうでも良いです。ただ以下のような内容をしっかりと記載しておきたいところです。

サイトリニューアルの目的

一言で言っても、様々な理由があるはずです。それをありのままの言葉で制作会社に伝えましょう。

特にないけれど、古くなったので新しいデザインにしたい。
でも良いのですが、新しくして、誰に、どのように見てもらいたいのかを伝えましょう。
例えば採用で、学生にウケるデザインが希望、個人投資家に投資対象としてアピールしたいなどです。

下記はあくまでほんの一部です。

  • 受注を増やしたいのであれば、より細かく「ECを作りたい」「商談のためのリードを獲得したい」等
  • 採用メインであれば、どんな人物を採用したいのか
  • CMSの導入が目的であれば、CMSで実現したいことはなんなのか

予算と希望納期

現実的か否かは発注者の方では分からないことが多々あると思います。それでも希望予算と希望納期は伝えましょう。
なぜかWEB系だと予算を伝えない方が良い。と思っておられる方も一定数いらっしゃいますが、先の飲食店の例えと同じです。
例えば東京銀座の高級寿司屋さんに、回転寿司チェーン店と同じ価格を求めるのは最初からナンセンスですよね。

自分たちが用意できる予算を伝え、その中で各制作会社が目的をどのように達成するプランニングを作ってくるのかを比較することが重要です。

非現実的な要望をしない

具体的に言えば、未来永劫、絶対に攻撃対象にならないサーバや、CMSを求めるといったもの。
ゼロリスクのシステムは存在しませんし、そのようなオーダーで「出来る」と回答した会社に安易に発注することは避けた方が良いと思います。

まとめ

RFPで検索すると、多くの制作会社がテンプレートなどを出していて、その通りに記載しなさいといった雰囲気がありますが、正直ページ数や体裁はどうでも良いです。

カッコいいビジネス用語でまとめるのではなく、リアルな表現で「なんのために予算を作ってリニューアルをしたいのか(つまりここは接待したいという意味になります)」を伝え、それを各制作会社に提案してもらうための依頼書なので、飲食店の例えのように、個室希望や、食べたい料理、参加人数や時間、予算など様々な「希望」をまとめ、その「希望」を制作会社に依頼してもらいましょう。

ここが抽象的だと、各制作会社はそれぞれ自社の得意分野ばかりを主張してしまい、営業トークの上手い会社がなんとなく良く見えて、本来はミスマッチになるはずの会社を選んでしまう等といった不幸にもつながりかねません。

RFPについて、もっと詳しく聞いてみたいという方は、ご相談は無料ですので、ぜひお気軽にお問合せくださいませ!

著者・編集者情報

藤江信之 (マーケティング室)

京都出身。

大学卒業後、税理士向け商社で営業マンを経験したのち、2000年代前半より広告代理店や、WEB制作会社等で主にクリエイターとして従事。
大手エネルギー会社や、大手小売店、某市地下鉄などのWEBサイトやプロジェクトに関わる傍ら、2010年頃まで、都内のWEBデザインスクールで非常勤の講師を務める。

その後クライアントワークから、自社の広報マーケティングにキャリアチェンジ。
上場IT企業のマーケティング部門立ち上げに中心メンバーとして関わり、ウェビナーや展示会の運営などを通じリード創出を行う。

人材サービス会社を経て、2023年6月ネクストソリューションズに入社。
“提案サイド”と“担当者サイド”両方を経験した知見を活かし、マーケティング室の立ち上げ中。

趣味は市民ランナー&高校野球観戦&古城跡散策のマニア。

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