2023.08.01

デザイン

知っておくとトクする「カンタンな色彩心理学」

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色彩心理学という言葉はご存知でしょうか?

「心理学」ってなんだか難しそう...。
そう思われる方も少なくないと思いますが、実はとてもシンプルで、知っておくととても便利なものなので、本日は色彩心理学を解説します。

広報やマーケティング部門の方だけでなく、営業部門の方、人事や社内の総務などの管理部門の方、情シスの方なども全て使っていただける内容です。

目次

色には性格がある

まず最初に話すと、色には性格があります。よく営業の方などが「提案書」などを作成されるとき、人に依頼すると「色数が~」とか注文だされませんか(笑)?
でご自身の作成されている資料を見ると、そこらじゅうに赤字や青字や、背景色など含めればレインボーみたいになっている…のようなケース、「あるある」ですよね?

これ、要するに「なんとなく色数は少ない方がよい気がするから、他人にはそのうようにオーダー」するけど、「自分で作成するときは、全部重要だから全部強調しても仕方ないよね?」といった状態で、なぜ色数を少なくしないといけないかという理論を分かっていないから起きる現象です。

なぜ色数が少ない方が良いのか、それは色は性格があって、多数合わせてしまうことで「各々が様々な主張をしはじめて収集がつかない」からです。
もう少し分かりやすく言えば、「やかましすぎて言いたいことが分からない」という状態です。

赤色の特徴

では早速、いくつか代表的な色味をご紹介していきますが、まず先頭打者は赤色。

赤は見ている方を積極的にさせる色になります。ですので、WEBデザインなどでは特に「購入はこちら」などのアクションをおこさせるボタンを「赤」系の暖色と言われる色でデザインされていることが多いです。
無意識に「クリックしたくなる」からです。

ですから、自社のコーポレートカラーが赤だからと言って「キャンセルする」を赤でデザインするのは避けた方が良いでしょう。心理学的には「キャンセルしたい」と思わせてしまいます。

応用として「食べ物」の写真。皆様もプライベートで食べ物の写真をSNSにアップされていませんか?
この際もスマホの簡単な補正で良いので「赤」を足すと「食べたい」つまり、「美味しく」見えます。

一方で闘牛の赤いマント。赤は「興奮」させる色でもあるので、冷静になりたい。例えば勉強部屋や寝室などにはあまり適さない色になります。

営業の方だと「じゃ、買って欲しいから全部赤にしよう!」となる方もいると思いますが、「興奮」から「危険」「緊張感」などネガティブな性格も持っているので、そこはケースバイケースを心掛けましょう。

青色の特徴

次に正反対の「青」ですが、まず長所は「冷静にさせる、集中力があがる」という色味になります。
あと日本人は青が好きとも言われ、サッカーの日本代表ユニフォームも、国旗は赤なのに、青でデザインされることも多いですよね。

ですので勉強部屋や寝室など、冷静になりたい、気持ちを落ち着けたいといった場所のコーディネートには相応しい色味です。

ただネガティブな性格も持ち合わせており「減退色」といって、気持ちを萎えさせてしまう色です。
ですのでWEBデザインなどで「購入はこちら」などのボタンには適さないです。
分かっていて、わざとそのように演出しているなら別ですが、通常は「購入ボタン」を「青」、そして「キャンセルボタン」を「赤」はありえない配色です。

あと食べ物写真にも不向きです。例えば「かき氷」のような冷たい食べ物も、基本は「青」を抜いて「赤」を足すのがレタッチ(写真補正)の基本のき。
青は「不味そう」に感じさせてしまいます。

緑色の特徴

緑には人を癒す、冷静にさせるといった特徴があります。

部屋の中にも「緑」があると落ち着きますよね?自然の「緑」は生命を感じさせる色なので、青と上手く調和させることでよりリラックス効果などを与えることが出来ます。
ビジネスシーンでも「赤」が積極的にさせるからといって、では商談ルームを「真っ赤」にしたらどうでしょう?

恐らく集中できません。お客様にきちんとサービスを理解いただき、判断いただくためにも冷静、集中できる色の方が「信頼」も勝ち得ます。

あと「非常口」の案内。緑色ですよね?あれも「逃げたい」という気持ちを積極的にさせる「赤」だと危険な状況を生みます。
非常時だからこそ、人を冷静に判断させるために緑色でデザインされているのは有名な話です。

無彩色(白黒灰)の特徴

無彩色は性格が弱い色です。ですので先に紹介した、赤、青、緑他の色と組み合わせやすい色です。
WEBデザインでは背景色などによく使われていますよね。

これもあまり「購入はこちら」などには適さない色です。なぜならば「何も主張してこない」ためです。
あと余談を言えば、WEBデザインでは「RGB」と言われる光の三原色で色が成り立っていますが、白か黒か。

よく刑事ドラマでは「おまえは黒だ!」といえばそれは「犯罪を行った」ことを意味しますよね?
ただ色の世界では真逆で、光があたって初めて色を認識できる。光がない世界は闇になるという考え方なので、「黒」が何もない状態。
白はある意味「一番うるさい」状態でもある色になります。

色数は3~4つまでが理想

できれば色数は少ない方がよい。これは事実です。それもできれば3~4つが理想。

『【完全オリジナル】筆者が学生時代アルバイト先で学んだ情報発信の極意』でも、人間は本質的にマルチタスク能力を持っていない。情報処理能力には限界があると記載しましたが、「あれもこれもそれも全部」見てくださいは、営業心理としては理解できますが、それは逆効果です。

本当に大切なことって実はそんなに多くありませんよね?

それに、「赤」「青」って真逆な性格ですから、重視させるために両方を並べるのは色彩心理学的には相応しくありません。
普段あまり気にせず、あるいは好みで使ってこられた色。広報物だけでなく、営業資料、社内で使う例えば全社会議のような資料など、様々なシーンで利用できますので是非皆様、参考にされてみてはいかがでしょうか。

著者・編集者情報

藤江信之 (マーケティング室)

京都出身。

大学卒業後、税理士向け商社で営業マンを経験したのち、2000年代前半より広告代理店や、WEB制作会社等で主にクリエイターとして従事。
大手エネルギー会社や、大手小売店、某市地下鉄などのWEBサイトやプロジェクトに関わる傍ら、2010年頃まで、都内のWEBデザインスクールで非常勤の講師を務める。

その後クライアントワークから、自社の広報マーケティングにキャリアチェンジ。
上場IT企業のマーケティング部門立ち上げに中心メンバーとして関わり、ウェビナーや展示会の運営などを通じリード創出を行う。

人材サービス会社を経て、2023年6月ネクストソリューションズに入社。
“提案サイド”と“担当者サイド”両方を経験した知見を活かし、マーケティング室の立ち上げ中。

趣味は市民ランナー&高校野球観戦&古城跡散策のマニア。

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