2023.08.09

マーケティング

WEBサイト(ホームページ)は「作る」から「使う」へ

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私が大学生の頃、まだWEBサイトがある企業はごくわずか。

就職活動でも、恐らく皆様もご存じの超大手企業様の合同説明会に参加するために、雑誌を購入して、そこに記載されている電話番号から、繋がるまで(人気バンドのライブチケット購入並みに、電話がパンクして繋がらなかったのです)ジッと携帯電話の前で待機...

そんなことをしていました。
あれから時が流れ、今ではどこの会社でもWEBサイトがあることは当たり前になりましたが、一方で感じるのは「使いこなせていないのでは?」という感覚も。

ですので今回は、お持ちのWEBサイトを「使い倒す」ためのアイデアをお伝えしたいと思います。

目次

【疑問】WEBサイトリニューアルで集客が出来るのか?

私は長い間、WEBデザイナーとして実際にPhotoshopなどを扱ってデザインをし、HTMLなどのコードを書いて制作をしていました。
そしてその後はディレクター、プランナーなどと呼ばれるどちらかと言えば「専門家だけどお客様の前で営業のように交渉担当もする」役割を担っていました。

当然数多くのWEBサイトリニューアルに「受注」のタイミングだけでなく、「納品」まで責任を持って関わってきました。

その経験の中でよく言われたのが「集客のためにWEBサイトをリニューアルしたい」という声。これがWEBサイトリニューアルで果たして可能かをぶっちゃけトークしたいと思います。

「リニューアルだけ」では実現不可能

最初に結論をお話します。
まずWEBサイトをリニューアルしただけでは何も変わりません。確かにSEOの内部構造の見直しなどを行うことで、多少の変化がないとは言いません。
ですが皆様、よくよく考えてみてください。

皆様はあるWEBサイトを閲覧されるとき、そのきっかけは「お!ここの会社リニューアルしたじゃん!これは見てみないと!」なんて気持ちになりますか?
どうでも良いことですよね?

はい。結論からするとユーザからすれば、リニューアルしたかどうかはどうでも良いことなので、リニューアルしただけでは集客効果はゼロです。

単純なお問い合わせが増えても意味がない

これは私も実際に自分が「WEBサイトのご担当者」になるまで分からなかったことです。
このコラムを読んで頂いている同業の営業やディレクターの方にも、これはぜひお伝えしたいことですが、まずコーポレートサイトの「お問い合わせ」から来る内容は9割以上が「逆営業」といって過言ではありません。

ですから単に「お問い合わせ」が増えても意味がないのです。

例えばリード(営業リスト)が欲しくて、WEBサイトに1,000万円の予算を取ってリニューアルされるのでしたら、リアルな展示会に出展された方が確実に目的を達成できます。

有効な問い合わせを増やすためにはコンテンツが必要

皆様普段よくご覧になるコーポレートサイト(企業サイト)って、どのようなものでしょうか?
あるいは企業が公式で運営しているYouTubeチャンネルでも同じです。

単なる宣伝動画だけのYouTubeチャンネルや、商品、サービス概要と、会社概要だけしか記載されていないWEBサイトを普段から「お気に入り」にして閲覧されますか?

恐らく多くの方はそのようなチャンネルやサイトには、訪問する動機がないと思います。
シンプルに「役に立つノウハウやナレッジがある」「少しエッジが効いていて面白い」などの要素がある「コンテンツ」があるWEBサイトに訪問し、その結果例えば「ホワイトペーパーダウンロード」や「オンラインセミナー参加」などをされますよね?

運営側としては「逆営業ではない有効な問い合わせ」増に繋がるわけです。
ですので、WEBサイトのリニューアルが大事なのではなく、ユーザを楽しませるコンテンツこそがWEBサイトのキモだとお伝えしたいのです。

WEBサイトで大切なのは「ハコ」でなく「中身」

WEBサイトリニューアルで作るものは何か?

それは「入れ物」である「ハコ」です。単なる「空き箱」です。ですから、それだけを幾ら予算投じたところで何も変わりません。

「WEBサイトリニューアルで問い合わせが○倍にもなったなどの売り文句はウソなの?」

そう思われる方もいるかもしれません。制作会社の「導入事例」ページなどでよく見かけますよね。もちろんウソではありません。
ただ例えばWEBサイトリニューアルに1,000万円近く予算を投下できる企業様は、少なくとも年間ベースの広報マーケティング予算が、億とは言わずとも、何千万円とあるのが事実。
リアルな展示会に出展したり、マス広告を使った認知向上活動を行ったり、複合的なPR活動の結果、「リニューアルで○倍の効果」が出たというのがほぼ全てです。

そこまで潤沢に予算が取れない多くの企業様の場合大切なのは、「ハコ作り」ではなく「中に入れる物」の準備です。

WEBサイトの「使い方」

ではここかから、具体的なWEBサイトの「使い方」をご提案します。

  • コラム(ブログ)
  • ウェビナー(オンラインセミナー)
  • ホワイトペーパー
  • お知らせ

代表的なものですが、上記に挙げたものを簡単に解説していきます。

コラム(ブログ)

コラムを読んですぐに「営業に来て欲しい!」「見積もりが欲しい!」とはなりにくいものです。また「今の時代、他の会社も似たようなことをしているし…」などいろいろ理由をつけて「後回しにしよう」となりがちなものです。

ですが「コラムやブログ等コンテンツ作成の極意」でも記載しましたが、ユーザ(つまり未来のお客様候補)と良好な関係性を築く上で欠かせないコンテンツです。

著名なコラムを継続的に出しておられる企業様をいくつかご紹介しますが、ファンづくりに欠かせません。
また「他もやっているからウチはやらない」というご意見。正直に申し上げますが、「じゃ、お客様は他社のWEBサイトへいって、あなたの会社のWEBサイトには来ないままですが、それで良いんですね?」という状態です。

「ヨソがやっているから、ウチもやろう」。特にコラムは先にも記載しましたが、即効性がありません。格闘技で言えば「ジャブ」でしょう(私は野球とマラソンしか経験ないのですが…)。フックやストレートのような一発でKOを取るパンチではなく、ジワジワと効いてくるものです。スタートが遅れれば遅れるほど、効果を感じれるのが先になっていきます。
是非、今からでも始めて頂きたいコンテンツです。

【代表的なコラムコンテンツ】

ウェビナー(オンラインセミナー)

もう今では当たり前のコンテンツになりつつありますよね。「ウェビナー疲れ」「コロナが落ち着いて出社ベースに戻ったので視聴しにくい」など様々な声は聞こえますが、まず「ウェビナー疲れ」。

基本ウェビナーは「これ買いたい!」というテンションで視聴するよりも、ナレッジ、ノウハウ探しがやはり傾向として多いです。コンテンツマーケティングの一環として「通販番組」のようなウェビナーより、時間を割いただけの価値のある「ノウハウ、ナレッジ」を出してファン作りに努めましょう。

そして「視聴しにくい」。これに対しては、ネクストソリューションズではライブで配信した後、アーカイブ配信をしています。
アーカイブ配信ではリアルに質疑応答などは対応できませんが、24時間365日、お好きな時にご視聴頂けるように対応しています。
このように配信方法を工夫することで解決することが可能だと思います。

ホワイトペーパー

ホワイトペーパーはダウンロードする際に「個人情報」を取得します。
ですので、どこの企業様も取り組みやすいものだと思います。ただホワイトペーパーだけを行うのは考え物。

だってユーザ心理に立ってみてください。「どの程度の役に立つ情報か分からない」のに、「確実に後で営業から連絡がある」こと分かっていて積極的にダウンロードしますか?
リードマグネットなんていう専門用語があります。「個人情報を渡しても欲しいと思わせるマーケティング施策」といった意味ですが、ホワイトペーパーやウェビナーを「リードマグネットにするために」、ユーザとしては「ここの会社の情報は役に立つ!」という「裏付け」が必要ですよね?
ですから、そのためにも無料でナレッジやノウハウが自由に読めるコラムが重要です。

お知らせ

新着情報ですね。
これは企業の規模や業態によって多少、あったりなかったりします。弊社ネクストソリューションズも「お知らせ」は現時点でなし。代わりにコラムで「情報発信」を日々行っています。
上場されている企業様でしたら必須コンテンツですし、新卒採用などに力を入れておられる会社様などもイベントの告知など重要です。

コラムかお知らせか、2択に1つではないのですがどちらも大変…という企業様は、少なくともお知らせだけでも更新して欲しいなぁと思います。

これからはWEBサイトを活用した企業が勝つ時代

高機能なCMSを導入しましょう、MA(マーケテイングオートメーション)を導入しましょうではなく、CMSやMAを使って「何を発信するのか」が非常に大切な時代です。
まだまだ「ツールは持っているけど、全然使いこなせていない」という企業様は多くありませんか?

そして「使い方」をそのCMSやMAのメーカー担当者に聞いても、「ツールの使い方」は教えてくれますが「何を発信するべきか」は教えてくれないことが大半ですよね?

大事なことは「道具を持っているか否か」ではなく、「どう使うか」の時代です。みんながWEBサイトも、更新するためのCMSも持っている。MAはなくても何らかのメルマガ配信ツールは持っている。そんな時代だからこそ、道具の優劣でなく、使いこなしている企業が必然的にユーザと良好なコミュニケーションを形成し、最後に勝っていきます。

「BtoB購買プロセスの57%は営業担当者に会う前に終わっている」とも言われます。

難しく考えずに「こんなこと伝えても、ユーザの為になるのかしら…」などと思わず、皆様の業界内では常識でも、一般社会では全く知られていないなんてことはまだまだあります。
どんどん積極的にWEBサイトを「活用」してみてください。時間はかかっても必ず皆様の心強い営業パートナーに成長していきますよ。

著者・編集者情報

藤江信之 (マーケティング室)

京都出身。

大学卒業後、税理士向け商社で営業マンを経験したのち、2000年代前半より広告代理店や、WEB制作会社等で主にクリエイターとして従事。
大手エネルギー会社や、大手小売店、某市地下鉄などのWEBサイトやプロジェクトに関わる傍ら、2010年頃まで、都内のWEBデザインスクールで非常勤の講師を務める。

その後クライアントワークから、自社の広報マーケティングにキャリアチェンジ。
上場IT企業のマーケティング部門立ち上げに中心メンバーとして関わり、ウェビナーや展示会の運営などを通じリード創出を行う。

人材サービス会社を経て、2023年6月ネクストソリューションズに入社。
“提案サイド”と“担当者サイド”両方を経験した知見を活かし、マーケティング室の立ち上げ中。

趣味は市民ランナー&高校野球観戦&古城跡散策のマニア。

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