2023.10.05

ITトレンド

今さら聞けない「Society 5.0」について

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みなさま「Society 5.0」という言葉は聞かれたことはありますか?

恐らくこのコラムにたどり着いてこられた方は、小耳に挟んだ、或いはインターネットメディアなどで見かけたので、検索してみよう、調べてみようと思っておられるのではないでしょうか?

今回は「Society 5.0」について簡単に解説したいと思います。

目次

Society 5.0とは

まず言葉の定義を先に行います。こちらは政府(内閣府)が2016年に「第5期科学技術基本計画(2016~2020年度)」というものを出していて、その中で提唱されている概念、考え方、日本が目指すべき将来像とされています。

内閣府のWEBサイトにはこのように記載されています。

サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)

概念なのでとても抽象的ですが、「5.0」と謡う以上は、「1.0」から定義つけられていて、「1:狩猟社会」「2:農耕社会」「3:工業社会」「4:情報社会」「5:人間中心の社会」とそれぞれ、原始時代からの歴史を5つのカテゴリにまとめられいます。

今の言葉、共通で伝わる言葉で解説すれば、今はまだメタバースのようなものはあっても、所詮は「WEBサイトサービスの延長上」のような立ち位置ですが、もっとアニメ「ドラゴンボール」のスカウターのようなもので(ツールはなんだっていいですが…)、リアルに仮想世界と、現実世界を隣り合わせにさせる。
それによって、人間中心の社会になる…といったところでしょうか。

まぁ、「人間中心の社会」とはなんなのか?何もなかった原始時代はむしろ人間中心の社会じゃないのか…などツッコミは出来そうですが、あくまで国が目指す方向性、今、この社会はそちらに向かって少しづつでも動いているんだということだけは、覚えておきたいところです。

Society 5.0で実現する社会像

こちらは内閣府WEBサイトから引用したものですが、伝えたいことは伝わってきますよね。
これからの日本社会は人口減少問題と真正面から向き合う必要がありますよね。

『「国土の長期展望」中間とりまとめ 概要(平成23年2月21日国土審議会政策部会長期展望委員会)』によると、2100年頃には、ピーク時は1億2,000万人いた人口が、明治維新の頃と同じレベルの3,000万人台まで落ちてしまう可能性があるとされています。

当コラムは社会問題を扱っているわけではないので、この件についての是非や、改善案を提案するものではありませんが、もしそれが現実となった場合、シンプルに「これまでと同じ」が通用しなくなることだけは明白ですよね。

全員を都市部に集めるなんてことも不可能。というよりも、国土交通省によると現在、関東地方には4,000万人程度が暮らしているということなので、日本全国が今の関東地方以下の人口になるということですから、現実とすれば東京も大阪も、人口密度は今よりガラガラになるでしょう。今のような都会がなくなるかもしれません(江戸時代の三都。江戸、京都、大坂は江戸で最盛期100万人、他2都市は40万人程度だったそうです)。

そうすると、どこに暮らしてもスポット的に過疎エリアも発生しそうですし、配達も今のようにスムーズにいかず、自動運転やイメージ図にあるようなドローン等で荷物を配送する、AIを今のよなチャットボットレベルではなく、ロボットのようなレベルに引き上げて、受付などの業務を行う…ここまで社会変革していかないと成り立たないという危機感の現れのようにも感じます。

現実的なマイルストーンはないのが実情

そうは言っても、現実的なマイルストーンは見えません。「第5期科学技術基本計画における指標及び目標値について」には以下のような目標が掲げられています。

  • 40 歳未満の大学本務教員の数を1割増加させるとともに、将来的に、我が国全体の大学本務教員に占める40歳未満の教員の割合が3割以上となることを目指す。
  • 女性研究者の採用割合(自然科学系全体で30%、理学系20%、工学系15%、農学系30%、医学・歯学・薬学系合わせて30%)
  • 総論文数を増やしつつ、総論文数に占める被引用回数トップ10%論文数の割合を10%となることを目指す。
  • 国内セクター間の研究者移動数を2割増加させることを目指す。
  • 大学及び国立研究開発法人における民間企業からの共同研究の受入額を5割増加させることを目指す。
  • 研究開発型ベンチャー企業の新規上場数(IPO等)を倍増することを目指す。
  • 内国人の特許出願件数に占める中小企業の割合について15%を目指す。
  • 大学の特許の実施許諾契約件数を5割増加させることを目指す。

研究者の数を増やす。ジェンダーの問題…

これは技術を進めていくうえでの本質的なマイルストーンではないと言えます。正直、私もエンジニア出身なので、これでは2100年まで、もう80年を切っている中で、到底到達することは難しいだろうなぁと感じてしまいます。
技術者の目線で話せば、いつまでにテスト版を作成する、そのために足りないものを…という考え方でないと進まないと感じてしまうからです。

ではどうすれば良いのか

結論ですが、私はSociety 5.0については、国がその方向で動いているんだ。という現実だけを知っておく。以上も以下もないと考えています。
本来、ここで弊社もIT屋さんなので、ITソリューションや、WEBサイトのリニューアルに話を転換させるべきかもしれませんが、ここまで読んで頂いた方であれば理解して頂けると思いますが、「そういう問題ではない」ですよね?

例えば車は人間が運転するものから、自動で走るものとなった場合、何かツールを入れておきましょうという話ではありませんよね?

広い意味で言えば、国家自体が本来の意味合いでのDXをしようとしているわけです。
私が恐らく生きていられるのは2060年前後でしょう。その頃には人口も9,000万人を割っていると予測されています。
今と大差のない社会なのか、全く考えられもしなかった社会がそこにあるのか。壮大なSF映画の中を生きていると捉えて、変化を楽しんでみていきたいといった気分です。

かつて21世紀という言葉の響きにとてつもない夢を見ました。だけど車が空を飛ぶなんて近未来的な技術は、世界中どこを探しても誕生しませんでした。
2100年、間違いなく私は生きては見ることができない、22世紀。果たしてどのような世界線が広がっているんでしょうか…。

著者・編集者情報

藤江信之 (マーケティング室)

京都出身。

大学卒業後、税理士向け商社で営業マンを経験したのち、2000年代前半より広告代理店や、WEB制作会社等で主にクリエイターとして従事。
大手エネルギー会社や、大手小売店、某市地下鉄などのWEBサイトやプロジェクトに関わる傍ら、2010年頃まで、都内のWEBデザインスクールで非常勤の講師を務める。

その後クライアントワークから、自社の広報マーケティングにキャリアチェンジ。
上場IT企業のマーケティング部門立ち上げに中心メンバーとして関わり、ウェビナーや展示会の運営などを通じリード創出を行う。

人材サービス会社を経て、2023年6月ネクストソリューションズに入社。
“提案サイド”と“担当者サイド”両方を経験した知見を活かし、マーケティング室の立ち上げ中。

趣味は市民ランナー&高校野球観戦&古城跡散策のマニア。

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