2023.10.12

デザイン

今WEBサイトリニューアルを考えている企業が知っておきたい「Y2K」

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WEBサイトのデザインにも、ファッション同様に「トレンド」があります。
一時期は鏡面のような床面に、反射しているような見せ方をするものや、見出しの背景などもグラデーションをかけて、少し立体的に見せたり、その時代その時代に流行った手法があります。

今ファッションの世界で注目されているY2Kについて考察し、2024年に流行りそうなWEBデザインを予想したいと思います。

目次

そもそもY2Kとは?

Y2Kとは「Year2000」のことで、2000年代(明確に何年から何年などはありません)に流行ったデザイン、ファッションを示す言葉として注目を集めています。
いわゆるミレニアル世代初期(1980年頃)前後生まれの方には特に懐かしいと思いますが、最近の女性ファッションで流行になっている「へそ出しファッション」

90年代後半あたりを席捲した「アムラーファッション」を彷彿とさせますよね。
当時も、70年代ファッションのリバイバル等と言われましたが、一定周期で過去に流行ったものが再び熱を帯びるのはよくある話。
(余談ですが、当時は男性もキムタク人気にあやかり、ロン毛が大流行りでしたよね。私もロン毛でした(笑)これも近いうちに再び流行するのでしょうか?)

日本だけでなく、K-POPはじめ世界的に「2000年代よ今一度」と言ったブームになってます。

当時のWEBデザインについて

まだ1990年代後半はWEBサイトというものは一般的ではありませんでした(私は大学生でしたが阪神淡路大震災等も、学校の掲示板を見に行って休講確認などを行うという時代でした)。
WEBサイトが一転華やかに、そしてある意味今以上に個性あふれ、WEBサイトを作るクリエイター達(私も当時はそうでした)が腕を振るい合うようになったのは、2005年前後のFlash全盛期。
コーポレートサイトでもゲームのようなインターフェイスが少なくありませんでした。

ではここでは次の3つをご紹介したいと思います。
キャプチャについてはInternet Archiveを引用させて頂きます。

  • メニューボタンや見出し背景が、立体的に見えるグラデーション処理
  • 鏡面に反射したような処理
  • Flashを使ったゲームのようなインターフェイス

メニューボタンや見出し背景が、立体的に見えるグラデーション処理

こちら2005年前後のApple公式サイトです。

注目はメニューボタン。濃い目のグレーから、薄めのグレーでグラデーションが効いていて立体的に見えますよね。
当時のWEBデザインの定番でした。私もこの当時は現役バリバリのデザイナーでしたし、担当させていただいたWEBサイトの多くでこのデザインを作っていました。

最近のトレンドは立体的な処理よりも、平面でやや無機質な処理ですが、Y2Kでゴージャスなデザインが若い世代には再び受け入れられるのでしょうか?

鏡面に反射したような処理

こちらも先ほど同様に2005年前後のApple公式サイトです。

PCやiPadの底付近に注目して頂きたいのですが、床に反射しているように見えますよね?
これもPhotoshop等を使い、一旦対象のオブジェクトを反転させてから、グラデーションでフェイドアウト処理を行っているのですが、めちゃくちゃ流行りました。

私も何度このデザインを行ったか、覚えていません。

Flashを使ったゲームのようなインターフェイス


こちらは2000年代最後(という表現が合っているかはさて置き…)の2009年頃に流行った、リクルートグループの会社が出した「エア焼肉」というサイトです。

動画をFlashというソフトを使ってコントロールし、その名の通り「エア」で「焼肉」を食べた気分になる。
という遊び心のあるWEBコンテンツ。この当時、大手企業のコーポレートサイトトップページ等でも、このFlashを用いた遊び心のあるコンテンツが一大ブームを巻き起こしていました。

私も様々なFlashコンテンツを制作しました。今Flashは開発元のAdobeが開発を止めてしまっており、復活はないかと思いますが、Y2Kの火付け役としてK-POPの存在があるように、当時Flashコンテンツは韓国のクリエイターが多く活躍していて、ひょっとすると当時の韓国風のデザインがWEB上でも再び注目を集めるでしょうか?

2000年代のWEBサイトはゴージャスで遊び心があった

2000年代の代表的なデザイン処理をいくつかご紹介しましたが、基本ゴージャスで遊び心がありました。
これはいくつか理由もあって、直前はまだまだWEBサイトを閲覧するためのブラウザが発展していなく、クリエイターが腕を奮いたくても出来なかったという環境があったのですが、この頃あたりから様々な技術を使えるようになり、各社のクリエイター達が挙って「技術を見せてやる!良いものを作りたい!」といった熱気にあふれていたのも事実です。

これが、ゴージャスで遊び心が多いサイトが多かったという1つの理由だと思いますが、今の「単に使い勝手が良い」「マーケティング効果を考えて」のように頭でっかちになりすぎた感のあるWEBサイトが、再び遊び心がある方に戻る背景も揃いつつあると思います。

その1つがメタバースですよね。もう少し当時のようにWEBデザインも「エモーショナル」なものであって良いのかもしれません。

WEBデザインも流行り廃りがある

Y2Kのように時代が再び…と言っても、当時のようないわゆる「アムラーファッション」とは少し違いますし、アムラー全盛期も、当時比較されたかつての1970年代ファッションとはやはり異なりました。

エッセンスの一部は引き継がれても、当時のままだと「古さ」を感じますよね?
WEBサイトも同様、2000年代、まさに私自身がデザインさせていただいたWEBサイトは多く「お役御免」になっていることを確認していますが、もう少し最近。
2015年前後に、ディレクターとして企画させていただいたいくつかのWEBサイトは現役だったりします。

当時は終電近くまでデザイナーと時には議論も行い作った「作品」ですが、やはり今となれば古いのは事実です。
特に採用などに力を入れておられる会社様であれば、ターゲットがZ世代など若い方だったりしますよね?

その方が「あ、この会社古いなぁ…」と内心思っていれば良くないことは明白だと思います。
よく「競合と同じようなデザインが良い」とご希望されるケースもありますが、その競合会社様が古ければどうでしょうか?

「この業界、どこも古いなぁ…リモートもないかもしれないし、花見席取らされるとかあるんじゃないかな…」などネガティブな感情を業界全体で持たれてしまうだけですよね?

今まさにリニューアルを考えている会社様は、「最新の身だしなみ」という視点で、業界の競合だけでなく、シンプルに今流行っている要素を取り込んでみてはいかがでしょうか?

著者・編集者情報

藤江信之 (マーケティング室)

京都出身。

大学卒業後、税理士向け商社で営業マンを経験したのち、2000年代前半より広告代理店や、WEB制作会社等で主にクリエイターとして従事。
大手エネルギー会社や、大手小売店、某市地下鉄などのWEBサイトやプロジェクトに関わる傍ら、2010年頃まで、都内のWEBデザインスクールで非常勤の講師を務める。

その後クライアントワークから、自社の広報マーケティングにキャリアチェンジ。
上場IT企業のマーケティング部門立ち上げに中心メンバーとして関わり、ウェビナーや展示会の運営などを通じリード創出を行う。

人材サービス会社を経て、2023年6月ネクストソリューションズに入社。
“提案サイド”と“担当者サイド”両方を経験した知見を活かし、マーケティング室の立ち上げ中。

趣味は市民ランナー&高校野球観戦&古城跡散策のマニア。

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