2023.10.10

マーケティング

MAツールを導入する前に知っておいて欲しいこと

  • WEBマーケティング
  • MA

MA(マーケテイングオートメーション)ツールの導入を考えておられるご担当者様、また経営者の方。

私も元MAユーザとして導入前、導入後でのギャップに悩み、苦しんだことがあるので、ぜひご導入前に知っておいて欲しいことをお伝えしたいと思います。

目次

MAツールとは

MAとは「Marketing Aautomation」の頭文字2つを略し呼ばれているものです。

文字通り、マーケティング活動を自動化できるものというコンセプトで、大体は「リードナーチャリング(見込み顧客の育成)」が得意とされています。

「MAツールのおすすめ10製品(全42製品)を徹底比較!」等の他社様のコラムなどもあるので、どのようなメーカがあるのかご関心のある方はぜひご覧ください。

MAは本当に自動化が可能か?

インターネットでMAについて検索すると、多く「失敗しないため」といったネガティブな情報が目につきます。
メーカー様の1つ、株式会社ジーニー様の「GENIEE MA」を紹介するLPにすら「MA を導入する企業様が増える一方、成功事例は少なく、失敗事例のほうが目立っています。」と記載されています。

私も実は以前所属していた会社で、MAを導入していたのですが正直「入れて良かった!」とあまり感じませんでした(但し、成功とは感じませんが、あって良かったとは思っていますが)。

まずこの「失敗」と感じてしまう理由の1つが、「自動化」というものに打ち出の小槌のような夢を見てしまうからだと思います。
何をもって自動化と言うのかを定義せず、イメージ的にMAさえ入れておけば、最初は展示会などでかき集めただけの、興味関心にすら至っていない可能性すらある自社のハウスリストが、どんどん商談希望顧客や、受注が勝手に生まれてくるという夢を見ていませんか?

もしそれに近しければ、MA導入の前にまずは一息ついた方が良いと思います。

MAでできること

ここまでネガティブな意見を書きましたが、先にもお伝えしたと思いますが、私は以前使っていたMAをそれなりに気に入っていもいます。
まず主観的な話でなく、大体MAでできることを並べてみたいと思います。

  • 獲得したリードを自動的に管理してくれる
  • リードに様々な属性を付与でき、必要なリストだけを抽出しやすくなる
  • メルマガ配信ツールとして使える
  • ハウスリスト内のユーザが、自社WEBサイト内でどんな動きを取っているか可視化できる
  • どんな会社からアクセスされているか分かる

メーカによって出来ること、出来ないことは分かれますが大方このあたりではないでしょうか?
1つづつ、上記のことが出来るメリットをここではお伝えしたいと思います。

リードの自動管理

今弊社ではMAは使っていません。ウェビナーやホワイトペーパーを活性化しており、徐々に参加者やダウンロード頂く方も増えてきています。
現在管理の仕方として、私が問い合わせメールを受けており、そこからウェビナーの方を抽出し、ウェビナー毎に準備しているエクセルに記載。

そしてそれをメルマガ配信ツールに転載を繰り返しています。これまで開催したウェビナーだと、50名強が今のところ最大の申し込み数ですが、割と大変です。
(弊社はそれを私1人で行っているので…)

過去MAを入れていた会社では、最大100名ほどがお申し込みされるケースもあったので、いずれここまで成長すれば、もう少し大変になると思います。
ですので、自動管理が出来るということは、現場ご担当者様目線だとかなりのメリットだと思います。

必要なリストだけを抽出できる

今の弊社の管理方法だと、「〇月〇日の〇〇セミナーに参加した方」、「その中でアンケートに回答された方」といった情報はすぐに出せるのですが、「〇〇セミナーと、▲▲セミナー両方に参加して、□□もしたユーザ」を出すことが出来ません。

これは今のうちに手作りで管理用エクセルシートを作成してしまおうと思っています。

私の場合、以前MAユーザなので、「こんな機能があると良いなぁ」というのが分かるので、その経験からアナログ管理でもその管理表を作成することも出来ますが、これも実際かなり大変です。
まだ弊社の場合、ウェビナーなどの活動も2023年7月から本格化と、3か月程度しか行っていないので、まだまだリスト整理をしても丸1日かかるなんてことはありませんが、数が増えると1日では終わらないレベルの作業量です。

すでにWEBマーケティングを行ってこられ、相当数に実名化されたリードをお持ちの場合、かなりのリソースがかかることは事実なので、これが簡単に出来ることは、相当なメリットだと思います。

メルマガ配信ツールとして利用可能

WEBマーケティングに取り組んでおられる会社様であれば、メルマガは恐らく必須で行っておられると思います。MAはメルマガ配信機能を兼ね備えていますので、これも大は小を兼ねるレベルですがメリットです。

自社WEBサイト内でどんな動きを取っているか可視化

実名化できたユーザであれば、「誰が、どこから、いつアクセスしてきて、何をどれだけ見ていったか」の情報も入手できます。

例えばセミナー参加者が、その後サービス概要ページに来られた。
展示会来場者が、オンラインイベントに関心を持っている。等が分かります。

これはエクセルレベルの管理では物理的に不可能なので、かなり使えます。

どんな会社からアクセスされているか分かる

これはメーカ次第ですが、まだリスト化されていないユーザの訪問があっても、どこの会社からアクセスしてきたか(IPアドレスベースなので個人のWi-Fiでは判別できません)が分かったりします。

ゴリゴリのテレアポ会社様であれば、役に立つ情報になるかもしれません。

MAを導入して失敗しないために

今お伝えしたように、メリットも多くあるMAツールですが、一方失敗だと考え契約を数年以内で打ち切る会社様も多いのが現状。
この理由は「非現実的な夢を見すぎて、ツールに打ち出の小槌を求めてしまったから」の1点だと思います。

私が以前いた会社で、MAが中途半端な立ち位置になったのもほぼこれでした。

MAに合うサービス

MAと言えば、「ハウスリスト内のユーザが、自社WEBサイト内でどんな動きを取っているか可視化できる」つまりスコアリングって機能が1つの売りだと思います。

このスコアリング。例えば「展示会に参加した後、〇〇ウェビナーに参加し、〇〇資料をダウンロードした」等の条件を与え、クリアすれば得点を与え、一定基準以上の点数になれば商談可能…といった判断を行い営業へパスするといった使われ方が多いですが、そもそも、リードタイムが短かくないと、これは机上で終わってしまいます。

例えば弊社のようなWEB制作サービス。先月リニューアルをしたという方が、いくらウェビナーに参加して、資料をダウンロードしても来月商談にはなりませんよね?
一方でこのコラムでネタにしているMA等は逆に、MAツールは「相性が良い」と思います。

何故ならWEB制作に比べて、検討時間が短いからです。

WEB制作だと数年単位で見ていく必要と、比較的どこの会社様も計画的に「次は〇年〇月をメドにリニューアルをしよう。そのために準備を日々行っておこう」という会社様はほぼいないのではないでしょうか?
大体は「ある日、突然リニューアルプロジェクトが発足する」といったことが多いため、MAのロジック通りに進まないんですよね。

きちんと自社サービスに合うものか。具体的な自社にあった活用プランを作成していただき、それが自社にマッチするか否かを判断基準にされても良いかもしれません。

まとめ

MAは基本良いツールですが、一方でスペック以上の期待を背負わせてしまい。「ダメなヤツ」というレッテルが張られがちなツールだと感じます。
正しく、MAを理解し、自社に合うか否か、導入すべきか別のツールにするべきか、次の項目をチェック頂くと良いかと思います。

全てに合致する必要はありません。しかし、1つもはまらなければ現時点では見送っても良いかもしれません。

  • WEBマーケティングを既に活性化している(ウェビナーやホワイトペーパーなど複数多数)
  • 展示会に出展し、毎年相当数(1,000枚以上)の新規名刺を獲得できるスキームがある
  • メルマガツールの導入、見直しを考えている
  • リードタイム、検討時間の短いサービスをメインで扱っている
  • マーケ、インサイドセールス、営業と役割分担された上で連携が出来ている

特に展示会などに積極的に出展され、かつWEBマーケにも力を入れておられる会社様であれば、「MAを入れたから受注が一気に増える」という夢さえ見なければ、入れてみる価値はあると、元ユーザとしてアドバイスさせて頂きたいと思います。

著者・編集者情報

藤江信之 (マーケティング室)

京都出身。

大学卒業後、税理士向け商社で営業マンを経験したのち、2000年代前半より広告代理店や、WEB制作会社等で主にクリエイターとして従事。
大手エネルギー会社や、大手小売店、某市地下鉄などのWEBサイトやプロジェクトに関わる傍ら、2010年頃まで、都内のWEBデザインスクールで非常勤の講師を務める。

その後クライアントワークから、自社の広報マーケティングにキャリアチェンジ。
上場IT企業のマーケティング部門立ち上げに中心メンバーとして関わり、ウェビナーや展示会の運営などを通じリード創出を行う。

人材サービス会社を経て、2023年6月ネクストソリューションズに入社。
“提案サイド”と“担当者サイド”両方を経験した知見を活かし、マーケティング室の立ち上げ中。

趣味は市民ランナー&高校野球観戦&古城跡散策のマニア。

DX推進のための役立ち資料

セミナーのご案内

CONTACT / OFFICE

CONTACT

TOKYO OFFICE

03-5422-3850

ACCESS

OSAKA OFFICE

06-7777-9633

ACCESS